「ケトジェニックダイエットをしてみたいけどやり方がわからない」
「ケトジェニックの食材やメニューはどうすればいいの?」
「ケトジェニックの期間はどれくらいで体重が落ちるの?」
ケトジェニックダイエットとは、極端に糖質を制限し体をケトーシス状態へすることで脂肪をエネルギー源として燃焼を促すダイエット方法です。
痩せる方法の中でも、もともとはスポーツ選手や愛好家の中で流行ったダイエットですが、正しいやり方を知らずに行うとリバウンドなどの危険性もあります。
ケトジェニックの食事メニュー例も含め、正しいやり方や食べてはいけないものなども解説していくので、ケトジェニックダイエットを効果的に始めたい方は参考にしてみてください。
ケトジェニックダイエットとはエネルギー源を糖質から脂質に変えるダイエット
ケトジェニックダイエットを一言で説明すると、
体に必要なエネルギー源を従来の糖質から脂質へとシフトさせるダイエット方法です。
しかしエネルギー源を変更するだけでなぜダイエットになるのか、と不思議に感じる方も多いでしょう。
ケトジェニックダイエット(KD)とは,糖質を制限し,糖質の代替エネルギー源として脂質を摂取する食事療法のことを一般的に指し,血中のケトン体(β-ヒドロキシ酪酸,アセト酢酸,アセトンの総称)が増加するのが特徴である。
引用元:J-STAGE|ケトジェニックダイエットがヒトの健康に及ぼす影響について
ここではケトジェニックダイエットで痩せる体の仕組み、糖質制限ダイエットとケトジェニックダイエットの違いなどをご紹介いたします。
PFCバランス(タンパク質・脂質・糖質のバランス)を3:6:1にする
ケトジェニックダイエットでは、PFCと呼ばれる「タンパク質」「脂質」「糖質」のバランスを通常の食生活とは異なるバランスへ変える必要があります。
ケトジェニックダイエットでのバランスは3:6:1となり、%に変換すると以下の通りです。
PFCバランス:ケトジェニックダイエットの場合
- P(タンパク質):30%
- F(脂質):60%
- C(糖質):10%
一般的な糖質制限ダイエットとは異なり、ただ糖質を制限するだけではなく脂質を積極的に摂取しなければならないのです。
ダイエットを行っていない状況での、理想的なPFCバランスは以下になります。
PFCバランス:通常の食生活の場合
- P(タンパク質):15%
- F(脂質):25%
- C(糖質):60%
ケトジェニックダイエットと同じように割合で表すと、通常の食生活の理想のPFCバランスは1.5:2.5:6になります。
明らかに脂質の量と糖質の量が異なることが分かりますよね。
ケトジェニックダイエットでは、普段の食生活よりも考えている以上に脂質を積極的に摂取する必要が出てくるでしょう。
また1日当たりに必要なカロリーの計算も必須になります。
脂質を積極的に取るので、カロリーオーバーにならないよう調整する必要があることも覚えておきましょう。
体内の糖質を枯渇させることで動くケトン体回路で脂肪を燃やす
ケトジェニックダイエットの仕組みは、糖質の摂取を極端に落とし、脂肪の分解を促すものです。
現代人の体を動かすエネルギーは、基本的に白米やパンの原料となる小麦から得られる糖質だと言えるでしょう。
糖質=ブドウ糖は脳にとっても主要なエネルギーであり、欠かすことができないものです。
しかし糖質を摂取できない状況が続いた場合、代替品が無ければ脳は動くことができなくなってしまうでしょう。
そのような状態を招かないため、
糖質が摂取できない場合は脂肪を分解し「ケトン体」に作り替え、脳や各細胞のエネルギーに回します。
意図的に体内の糖質を枯渇させ、脂肪の分解を促進、ケトン体を作り出すことがケトジェニックダイエットなのです。
低炭水化物食や断続的断食がもたらす体脂肪重量の効率的な減少効果に、飢餓のようなエネルギー不足時にグルコースの代替エネルギー源として産生されるケトン体の一種であるアセト酢酸とその受容体、そして腸内環境の変化が密接に関わっていることを明らかにしました。
引用元:日本医療研究開発機構|低炭水化物食や断続的断食による減量メカニズムの解明―ケトン体の新たな受容体を発見―
脂肪の分解を積極的に進められるので、極力筋肉量を落とすことのないダイエットとして知られています。
タンパク質はしっかりと摂取が必須
ケトジェニックダイエットでは、脂質と共にタンパク質もしっかりと摂取しなければなりません。
糖質と同じような感覚でタンパク質、脂質を抑えてしまうと、脂肪以外に筋肉もエネルギーに変換しようと分解されてしまうのです。
筋肉量が低下してしまうと、基礎代謝も落ちるので痩せにくい体質に変わる恐れもあります。
せっかくケトジェニックダイエットを行っているのに、普段の食事に戻したとたんにリバウンドするリスクが高まると考えられるでしょう。
ケトジェニックダイエット一般的な糖質制限や、食事制限とは考え方が異なります。
全ての食事量を落とすのではなく、良質なタンパク質を摂取することも意識しましょう。
ケトジェニックダイエット中におすすめのタンパク質は、シンプルな味付けの肉類や鶏卵、魚類では青魚です。
動物性たんぱく質には、植物性たんぱく質に比べアミノ酸スコアの高いものが多く、たとえば卵はアミノ酸スコアが100で理想的な食品のひとつです。ただ、大豆などは、植物性たんぱく質の中でも良質なたんぱく質といえます。肉や魚は同時に脂質も多く含んでいるので、バランスよく摂ることが大切です。
引用元:e-ヘルスネット|良質なたんぱく質
良質な脂質を選ぶようにする
ケトジェニックダイエットでは、糖質を極端に制限する代わりに、必要な栄養を脂質で補います。
ただし一言で脂質といっても、体に良い脂質だけではありません。
体に悪影響を与える恐れのある脂質は控え、良質な脂質を選んでいきましょう。
脂質の種類は大きく分けると「不飽和脂肪酸」と「飽和脂肪酸」の2つに分かれます。
それぞれの特徴を把握して、適切な脂質を摂取していきましょう。
脂質の種類
脂肪酸の種類 | 特徴 | 例 | |
---|---|---|---|
飽和脂肪酸 | 肉や乳製品などに含まれる・常温で固体 | バター、ラード、肉類の脂肪分 | |
不飽和脂肪酸 | 植物や魚に多く含まれる・常温で液体 | オメガ3系 | アマニ油、エゴマ油 |
オメガ6系 | ゴマ油、コーン油、グレープシードオイル | ||
オメガ9系 | オリーブオイル |
飽和脂肪酸は摂取しすぎると、血中の悪玉コレステロールを増やすとされます。
糖質のような極端な制限は必要ありませんが、脂質を取る際には不飽和脂肪酸を意識して摂取しましょう。
脂肪を構成している要素である脂肪酸は、分子の構造的な違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されますが、そのうち植物や魚の脂に多く含まれるものを不飽和脂肪酸といいます。飽和脂肪酸はおもに動物性の脂肪に含まれます。
引用元:厚生労働省e-ヘルスネット|不飽和脂肪酸
またバターより気軽に利用できるマーガリンは、トランス脂肪酸が含まれています。
トランス脂肪酸は摂取しすぎると、心血管疾患への罹患リスクが上がるとして、海外では数年前から規制が始まっている脂質です。
トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%に相当する量よりも少なくするよう勧告をしています。日本人が1日にとるエネルギー量の平均は約1,900 kcalであり、この1%に相当するトランス脂肪酸の量は約2グラムです。
引用元:農林水産省|すぐにわかるトランス脂肪酸
とくにケトジェニックダイエット中は、飽和脂肪酸を控えトランス脂肪酸の摂取を避けたほうが無難だと言えるでしょう。
糖質制限ダイエットやカロリー制限ダイエットとの違いは?
ケトジェニックダイエットと、糖質制限ダイエット・カロリー制限ダイエットの違いは、PFCバランスの徹底した管理が必要な点です。
単に炭水化物や甘いものを食べないダイエットではなく、人に必要な栄養素を管理しながら体を痩せやすい状況に変えていきます。
中には断食ダイエット(ファスティング)と呼ばれるダイエット方法もありますが一般的なダイエットより、ケトジェニックダイエットであればカロリー自体は十分に摂取できるでしょう。
しかし、PFCバランスや糖質の制限に関しては、糖質制限ダイエットやカロリー制限ダイエットより非常に厳しい管理が必要です。
単純なダイエットではない分、ケトジェニックダイエットは効果が見えやすいと言えます。
しかし、成功させるには事前に正しく理論や仕組みを理解しておく必要があるでしょう。
ケトジェニックダイエットのやり方
ここまで触れてきたように、ケトジェニックダイエットは単純にカロリーを減らすことで痩せるダイエットではありません。
そのため正しいやり方や理論、必要な摂取カロリーの計算方法を知っておくことが必要です。
しかし都度カロリーを厳密に計算するのは大変だと感じる方も多いでしょう。
そこでここでは、基本となるケトジェニックダイエットのやり方を紹介するとともに、実際に数字を当てはめた例についてご紹介いたします。
またPFCバランスを日々記録する際に便利なアプリにも触れるので、ぜひ参考にしてケトジェニックダイエットに挑戦してみてください。
STEP1)1日に必要な摂取カロリーを計算する
ケトジェニックダイエットをする際には、まず自分にとって必要な1日の摂取カロリーを計算するところから始めます。
自身の年齢や身体活動レベルに沿って、1日に必要な摂取カロリーを導き出しましょう。
カロリーの計算式は以下になります。
基礎代謝量×身体活動レベル=1日に必要な摂取カロリー
自身の基礎代謝量を導き出す計算式は以下です。
STEP1:基礎代謝量を計算
男性 | (0.0481×体重kg+0.0234×身長cm-0.0138×年齢-0.4235)×1,000/4.186 |
女性 | (0.0481×体重kg+0.0234×身長cm-0.0138×年齢-0.9708)×1,000/4.186 |
身体活動レベルの目安は以下になります。
STEP2:身体活動レベルをチェック
年齢 | 身体活動レベル | ||
---|---|---|---|
Ⅰ(低い・ほとんど座っている) | Ⅱ(普通・通勤や家事で動く程度) | Ⅲ(高い・立ち仕事や定期的なスポーツ) | |
18~29歳 | 1.5 | 1.75 | 2 |
30~49歳 | 1.5 | 1.75 | 2 |
50~64歳 | 1.5 | 1.75 | 2 |
STEP3:1日に必要な摂取カロリーを求める
これらを組み合わせて算出します。
まずは例として30歳女性、身長165cm、体重55kg、身体活動レベルⅡの方をモデルに基礎代謝量を計算してみましょう。
※仮にA子さんとします。
(0.0481×55kg+0.0234×身長165cm-0.0138×30-0.9708)×1,000/4.186=1224kcal
算出されたカロリーは1224kcal、身体活動レベルⅡなので1.75を掛けます。
1224kcal×1.75=2142kcal
となるので、モデルA子さんの場合に1日に必要な摂取カロリーは「2142kcal」となるのです。
このように、自分の身長・体重・年齢・身体活動レベルを当てはめて1日に必要な摂取カロリーを算出してみてください。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」|日本医師会|1日に必要なカロリー推定エネルギー必要量
STEP2)PFCバランスに当てはめ栄養素ごとの摂取カロリーを算出
1日に必要な摂取カロリーを導き出したあとは、カロリー内における栄養素ごとのカロリーを算出します。
ケトジェニックダイエットでは、PFCバランスの徹底した管理が必要なので、摂取できる量をあらかじめ明確にしておきましょう。
上記と同じA子さん(30歳女性、身長165cm。体重55kg、身体活動レベルⅡの方)をモデルとして進めます。
導き出された1日に必要な摂取カロリーが「2142kcal」なので、この値をPFCの3:6:1に当てはめると以下になります。
モデルA子さんの場合
- P(タンパク質):643kcal
- F(脂質):1285kcal
- C(糖質):214kcal
※小数点以下は四捨五入
上記が、1日に摂取して良いカロリーの栄養素ごとの内訳です。
数字にしてみると脂質の取る量がとても多いことがよくわかるのではないでしょうか。
栄養素ごとのカロリーをグラムに変換し1日の摂取量を把握する
最後に算出したPFCのカロリーを、実際の食材に変換した場合のグラム数に変換します。
カロリーだけで1日の食材を管理するのは難しいので、より理解しやすいグラムに変換してしっかりと管理していきましょう。
上記までと同じ30歳女性、身長165cm、体重55kg、身体活動レベルⅡのA子さんをモデルに進めます。
P:643kcal、F:1285kcal、C:214kcalをそれぞれグラムに直す場合の目安と結果は以下です。
カロリーをグラムに変換する際の目安
- P(タンパク質):4kcal/g
- F(脂質):9kcal/g
- C(糖質:)4kcal/g
モデルA子さんの1日の摂取カロリーをgに直すと
- P(タンパク質):161g
- F(脂質):143g
- C(糖質):54g
お茶碗1杯分のご飯が160g前後とされるので、ケトジェニックダイエット中に摂取できる炭水化物はお茶碗3分の1以下のご飯程度です。
糖質を摂取しないよう、意識して気を付けなければいけない理由がよくわかるのではないでしょうか。
食事のPFCバランスの記録は無料のアプリがおすすめ
ケトジェニックダイエットでは、PFCバランスを徹底するために食事内容を記録しておくことも重要です。
ただ、忙しい毎日を送っている中で、いちいちメモに取っておくのは難しい場面もあるでしょう。
そのようなときにおすすめなのが、無料アプリの活用です。
以下、おすすめアプリを紹介するので、自身に合ったアプリを活用してみましょう。
食事の記録、カロリー計算、体重管理がこのアプリ1つで完結できる便利なアプリです。
食事の記録はカメラで写真を撮るだけ、写真を撮るとカロリー計算まで自動で行ってくれます。
食事を記録すると、栄養士からのあなた専用のアドバイスや、カロリーと各種栄養素14項目の過不足がわかる栄養素グラフが、毎日無料でチェックできます。
引用元:あすけんダイエット
食事に関するカロリーデータが膨大なので、すぐにお目当てのカロリーを検索可能です。
水分管理や運動kcalの計算も可能、またスマホアプリだけではなくPCから確認することもできます。
1,400万件以上のフードから選んで記録。カロリーや栄養素の内訳を確認したり、一人前の分量を比較したりなど、目標を達成する上で役立つ食事の仕方を確認できます。
引用元:MyFitnessPal
ケトジェニックダイエットの期間は1週間~3か月間程度
ケトジェニックダイエットは、基本的に長期間行うダイエットではありません。
1週間から3か月程度を目安にし、体に過度な負担がかからないよう注意してください。
特定の果物などを食べ続けるダイエットより、ケトジェニックダイエットは必要な栄養素を摂取できるダイエットです。
しかし理想的なPFCバランスを崩していることに変わりはありません。
短期間で集中して体重を落とすダイエットだと考えて、むやみに長期間のダイエットを行うのは避けましょう。
ケトジェニックダイエットの食材について
ケトジェニックダイエットでは、糖質を制限する必要があるので食材選びにも気を配る必要があります。
ただ、いきなりケトジェニックダイエットに良い食材を、と言われてもなかなか思いつかないものでしょう。
そこでここでは、ケトジェニックダイエット中の食材についてご紹介いたします。
食べて良いもの、避けるべきものから、手軽なコンビニ食まで触れていきます。
ケトジェニック中に食べていい食材
ケトジェニック中に食べて良い代表的なものは以下のようなものです。
- 肉類
- 魚類
- 卵
- 一部野菜(葉物野菜など)
- キノコ
- ナッツ類
- 無糖飲料、酒類
糖質の元となる炭水化物を避けることがキモとなるダイエットなので、食べられる食材は実は豊富にあると言えるでしょう。
ただし、野菜や果物、飲料については炭水化物や糖質が含まれているものはNGです。
野菜に関して言えば、
OKな野菜例
- ほうれん草
- レタス
- ピーマン
- アボカド
NGな野菜例
- ジャガイモなどイモ類
- ニンジンなど根菜類
上記のように糖質が豊富に含まれている野菜はNGとなります。
またケトジェニック中にお酒を飲むこともできますが、ウィスキーやシャンパンなど糖質量が低いものに限られます。
缶チューハイや甘口ワインがダメなことは分かりやすいですが、苦みが特徴的なビールも小麦由来のお酒なので摂取できません。
基本的にOKとされる食材は赤身の肉、青魚、葉物野菜やアボカド、ナッツ類など。
上記食材は、タンパク質の他に良質な脂質を含んでいるので、ケトジェニックダイエット中に必要な栄養素を補ってくれるでしょう。
なお、キノコは低カロリーながら栄養が豊富な上に、食べ応えがあるのでおすすめです。
ケトジェニック中に避けるべき食材
避けるべき食材についても確認していきましょう。代表的なものは以下になります。
- 炭水化物(米、麺、パン、オートミールなど)
- 果物
- 豆類
- 一部野菜(根菜など)
- 低脂肪乳製品
- 甘味料全般
糖質=炭水化物というイメージが通っていることもあり、なんとなくわかっている方も多いでしょう。
しかし炭水化物の中で気を付けなければいけないのが、オートミールなどもNGである点です。
ダイエット中の食事としても知られていることから、ケトジェニックダイエット中も大丈夫ではないかと考えてしまうもの。
しかしオートミールの原材料は麦の一種です。
大麦、小麦、燕麦に限らず、穀物には糖質が含まれているので避けてください。
また気を付けるべき点として、人工甘味料が挙げられます。
ダイエットコーラのように、0kcalとされていたとしても、糖質を摂取することに変わりはありません。
カロリーの有無ではなく、糖質量の摂取は管理が必要なのだと考えましょう。
ケトジェニック中のコンビニ食の選び方は?
ケトジェニックダイエット中でも、コンビニ食を利用できます。
いつもカロリー計算をしながら食事を作るのは大変、たまには簡単に済ませたい!と思ったときなどに利用してみましょう。
多くのコンビニで購入可能なケトジェニック中でもOKな食べ物は以下です。
- サラダチキン
- ワカメスープ
- サバ・ホッケの塩焼き
- ゆで卵
- 麺を使っていない各種サラダ
- チーズ
- 焼き鳥(塩)
- ホットスナック
- 缶詰
昨今のコンビニでは、食材や調理法も豊富になっているので、探せば他にもOKな食材がたくさんあります。
上記は一例でしかないので、食べてOKな食材・避けるべき食材を考えながらチョイスしてみましょう。
意外にホットスナックで食べられるものが多いので、食材だけではなく調味料を意識して選んでみてください。
また狙い目は缶詰商品です。
サバなど青魚を利用したものが多いので、良質な脂質を摂取する際にも便利に使えます。
ケトジェニックダイエットにおすすめの良質油な油
ケトジェニックダイエットでは、糖質の代わりに脂質を摂取することでカロリーや栄養素を補います。
同じ脂質でも、どれだけ良質な脂質を摂取できるかも重要なポイントです。
こちらではケトジェニックダイエット中に良いとされる良質な油をご紹介します。
なお、ケトジェニックダイエット中だけではなく、普段の生活でもおすすめです。
一般的なサラダ油ばかりではなく、日常でも良質な油について意識してみましょう。
MTCオイル
MTCオイルとはココナッツやパームヤシから採取される「中鎖脂肪酸」のみで作られた油を指します。
一般的な油に含まれる脂肪酸と代謝経路が異なり、分解効率が高く脂肪として溜まりにくいとされる油です。
分解効率が高い=無駄なくエネルギーに変換できるので、糖質量を極端に制限するケトジェニックダイエット中にピッタリな油だと言えるでしょう。
MCTは消化・吸収・分解がスピーディーなので、エネルギーだけを効率よく得られます。体脂肪として蓄積しにくい成分なので、食事制限やダイエット時のエネルギー補給に最適です。
引用元:仙台勝山館ココオイル|MTCオイルとは?
匂いやクセがないので、そのままドレッシング代わりに利用する方法がおすすめです。
一方、MTCオイルは火にかけた際、煙が出る温度が低く調理油としては向いていません。
加熱はNGと覚えておきましょう。
ココナッツオイル
ココヤシの実の「胚乳」と呼ばれる部分から採取される油を指します。
飽和脂肪酸、中鎖脂肪酸が多く含まれているので、消化吸収における時間が短く、分解も早いとされる油です。
飽和脂肪酸の特徴である、常温で固体になる性質があります。
バターやラードのように固まり酸化しづらく熱に強いので、保管しやすい点は大きなメリットだと言えるでしょう。
ココナッツ特有の甘い香りも楽しめるので、ケトジェニック中の癒しにもなってくれます。
調理油の代わりに使ったり、無糖のコーヒーに入れたりする方法がおすすめです。
亜麻仁油・えごま油
亜麻仁油とえごま油は、それぞれ「亜麻」「エゴマ」と呼ばれる植物の種子から採取される油です。
どちらも不飽和脂肪酸の一種であるオメガ3系脂肪酸を豊富に含み、体内で作れない必須アミノ酸の摂取が可能になります。
オメガ3系脂肪酸は魚にも多く含まれますが、手軽に摂取しやすいとは言えないことも事実です。
毎日の食卓に気軽にオメガ3系脂肪酸を取り入れたいときなど、便利に利用できるでしょう。
加熱調理に向く油ではないので、ドレッシング代わりに利用する方法がおすすめです。
アマニ油とえごま油は、生で食べるのが基本。
引用元:日清オイリオ|アマニ油とえごま油の違いとは?かけて楽しむ2つのオイル
「日清アマニ油」と「日清有機えごま油」どちらも、クセのない、さっぱりとした風味です。
サラダの仕上げにかけたり、ドリンクにまぜたりとバリエーションがとても豊富です。
またワカメスープなどに、油っ気を足したいときにも重宝するでしょう。
メーカーにもよりますが両者ともに味わいに少しクセがあるので、好みに合わせて選んでください。
オリーブオイル
オリーブの果実を圧搾することで採取できる油を指します。
オリーブの歴史は古く、紀元前からすでに人類の食を支えてきた植物としても知られています。
不飽和脂肪酸の中でも「オメガ9系脂肪酸」にカテゴリされる「オレイン酸」が非常に豊富です。
またオメガ3系、オメガ6系に含まれる脂肪酸も併せ持っているので、万能の油と言えるでしょう。
上質なオリーブオイルになるほど、クセが無くフルーティなおいしさを堪能できます。
火に強く酸化しにくい特徴を持つので、調理油の代わりを始め、食事や飲み物に加えたり、そのまま飲んだりすることも可能です。
グラスフェッドバター
グラスフェッドバターとは、穀物などを除外した牧草だけを餌として与えられた牛のミルクから作られるバターを指します。
牧草(グラス)をエサ(フェッド)にした牛のバターなので「グラスフェッドバター」と呼ばれるのです。
一般的なバターとの大きな違いは、不飽和脂肪酸を含むこと。
乳製品が基本的にNGなケトジェニックダイエット中でも、グラスフェッドバターであれば摂取が可能です。
加熱調理での利用もOKなので、料理のコクを底上げしてくれるでしょう。
ケトジェニックダイエット1日の食事メニュー例
ここではケトジェニック中のダイエット食には、どのようなメニューがあるのかご紹介いたします。
実際のところOK、NGな食材が分かっても、具体的なメニュー例がないとイメージがつきにくいものです。
結局何を食べれば良いのか分からないようでは、ケトジェニックダイエットを始めようとも考えにくくなるもの。
朝食・昼食・夕食の1日分のメニュー例を見て、どのような食生活になるのか参考にしてください。
ケトジェニックの朝食メニュー
忙しい朝食メニューでは、卵や豆腐などを活用すると便利です。
朝からたくさん食べるのが難しい場合は、タンパク質の摂取にプロテインなどを活用しても良いでしょう。
3食だけで全ての栄養を無理に摂取すると考えず、ナッツや小魚類を間食に用いる方法もおすすめです。
朝食メニュー例
- 具沢山オムレツ
- 豆腐のMTCオイル掛け
- ワカメ生姜スープ
- レタスとトマトのサラダ
具沢山オムレツには、玉ねぎではなくアスパラを利用すると糖質量を抑えられます。
ケトジェニックの昼食メニュー
ケトジェニックダイエット中は、できるだけお弁当を持参するとPFCバランスを保ちやすくなります。
外食が必要な場合は、できるだけ主食を減らすことを意識しましょう。
お弁当にもしやすいメニューは以下になります。
昼食メニュー例
- ローストビーフ
- 白滝の魚貝パスタ
- カジキのムニエル
- ブロッコリーサラダ
白滝を麺代わりにすることで、大幅に糖質を抑えて麺料理を楽しむことが可能です。
白滝はスープを吸いにくいので、時間がたってもおいしくいただけます。
ケトジェニックの夕食メニュー
朝や昼より夜のご飯をしっかり食べると言う習慣の方も多いのではないでしょうか。
主食を抜くことで、空腹を感じやすいのでしっかり食べ応えのある食事を摂っておきましょう。
噛み応えがあるものをメニューに入れると、満足感が高まりやすくなります。
夕食メニュー例
- 鮭のちゃんちゃん焼き
- 大根、カイワレ、ボイルホタテのサラダ
- アボカドとマグロのワサビ漬け
夕食のあとに晩酌をしても大丈夫ですが、糖質量には気を付けてお酒の種類を選びましょう。
ケトジェニックダイエットの危険性やデメリットは?
ケトジェニックダイエットに限らず、食事制限を行うダイエットにはデメリットも存在します。
メリット部分に注目しがちですが、危険性やデメリットを把握しないままでは、安全・きれいに痩せることは難しいでしょう。
事前に注意点やデメリットをしっかり確認して、理想の体に近づいていきましょう。
ここではケトジェニックダイエットの危険性やデメリットについて解説いたします。
長期間はNG!3か月以上やっても効果が無い場合は中止を
ケトジェニックダイエットを行う期間は、最長でも3か月程度までにしておきましょう。
体のメカニズムを利用したダイエット方法であり、必要な栄養素を摂取していたとしても、理想的なPFCバランスを崩すダイエットです。
あまり長期にわたって行うと、筋肉・代謝が低下する危険性が上がってしまいます。
筋肉量や代謝機能が下がると、ダイエットを止めたとたんにリバウンドしてしまうリスクも上昇するのです。
また、ケトーシスな状態が続くと、体自体がケトーシスな状態に慣れて体重減少のスピードが落ちる可能性もあります。
さらに、下記のような死亡リスクが高まるという研究結果も出ています。
低炭水化物食による長期的な効用は認めず,死亡リスクが有意に増加することが示唆された.
引用元:国立国際医療研究センター研究所|糖質制限食による死亡リスク – メタアナリシスによる検証 –
ケトジェニックダイエットは短期集中的なダイエットだと考え、長期にわたって行うことは避けてください。
リバウンドの可能性に注意
ケトジェニックダイエットを終えた際の注意点が、リバウンドの可能性です。
ケトジェニックダイエットは厳しい食事制限を行うので、止めたとたんに糖質量を摂取しすぎてリバウンドをしてしまう危険性が高いとも言えます。
ケトジェニックダイエット中の体は、糖質の処理機能が著しく落ち込みます。
糖質の処理能力が落ちている体に、いきなり普段通りの糖質を取り込めば処理できなくなり脂肪になってしまうのは当たり前です。
したがってリバウンドを回避するには、約1か月程度かけながら徐々に糖質の摂取量を増やしていくことが必要です。
最初の1週間は朝食に少量の白米やパンを追加する、次の週では昼食にも主食を足してみるなど、体の状態を見ながら戻していきましょう。
ケトン体特有の体臭や口臭がある
ケトジェニックダイエットでは、ケトン臭と呼ばれる体臭や口臭が強く出るケースもあります。
糖質の代わりにエネルギーとなるケトン体が作られている証拠でもあるので、ケトン臭がする=ダイエットがうまくいっているとも言えるでしょう。
しかしケトン体に含まれる「アセトン」と呼ばれる成分は、臭いがきついことも事実です。
このケトン体は甘酸っぱく、果物が腐ったようなにおいがします。糖尿病によって、ケトン体が多くなると、汗にもケトン体のにおいが混じってきます。また、糖質制限ダイエットなどで、糖質を極端に制限しても、ケトン体のにおいがする汗が出てきます。
引用元:サワイ健康推進課|汗が臭くなる病気
ダイエットがうまくいっていても、臭いがするようでは手放しで喜べない方も多いでしょう。
ケトン臭を抑えるために有効な方法は以下です。
- 運動をする
- 水分を取る
- 半身浴を行う
- クエン酸・グルタミン酸を意識的に摂取する
ケトン体は体を動かすエネルギーとして生産されます。
したがってエネルギーをしっかりと使うことで、ケトン体を余らせないことで臭いの発生を最小限に抑えられるでしょう。
またアセトンが口から揮発させることを抑えるために、汗や尿として排出させられる半身浴や尿の量を増やせる水分摂取も有効です。
クエン酸とグルタミン酸は、アセトンを分解できるとされているので、積極的に摂取すると臭いを抑える一助になるでしょう。
ケトジェニックダイエットについてよくある質問
ケトジェニックダイエットの仕組みややり方を見てきましたが、専門的な知識が必要になる分、まだまだ疑問が尽きない方も多いと感じます。
実際にどれほど痩せられるのか、脂質が足りないときの対処法などなど。
ケトジェニックダイエットに限らず、事前にできるだけ疑問点を残さないこともダイエット成功のポイントです。
最後は、ケトジェニックダイエットについてよくある質問とその回答について見ていきましょう。
ケトジェニックは1週間で何キロ痩せますか?
個人差があるので断言はできませんが、多くの方が1~3kg程度のダイエット効果を実感できるようです。
厳格な糖質制限を行っている場合、ケトジェニックダイエットの1週間目は体の水分が減り体重が落ちると言われます。
糖質は水分をため込みやすいので、体内の糖質が減ることで水分も減少します。
余剰な水分が減ることで、むくみの解消にもつながることから、数字夜見た目の方が「痩せた」と実感しやすいかもしれません。
脂肪燃焼効果は2週間目から実感できるとされるので、数字による確認をしたい場合は最低2週間のダイエットは必要になるでしょう。
数字だけに一喜一憂するのではなく、トータルで確認していくとモチベーションを保ちやすくなります。
ケトジェニックは糖尿病になりますか?
ケトジェニックダイエットと糖尿病の関係については、未だ研究中であると言えるでしょう。
研究者によって、二型糖尿病のリスクを上げるとされたり、二型糖尿病患者に有効ではないかとされたりする論文があります。
どれも、長期的な実証を行ったものは少なく、症例が足りない状態なので未だ断言はできないでしょう。
しかし、ケトーシスの状態が長く続くと、血液が酸性に傾く「ケトアシドーシス(酸血症)」になることは分かっています。
ケトアシドーシスは1型糖尿病で主にみられ、糖尿病発症時やインスリン注射を中断したとき、あるいは感染症や外傷などによって極端にインスリンの必要性が増加したときに起こります
引用元:日本糖尿病学会|糖尿病合併症について
ただ、ケトジェニックダイエットをすると直ちにケトアシドーシスになるわけではありません。
上記でも触れたように、期間を定めて長期にわたるダイエットを行わないよう注意しましょう。
ケトジェニックで脂質が足りない時はどうしたら良いですか?
一般的なダイエットでは、糖質と同じく脂質も制限したほうが良いとされます。
したがってケトジェニックダイエットを行っても、なかなか脂質を摂取できないことも考えられるでしょう。
このような場合に便利なのが、MTCオイルやオリーブオイルなどの油を摂取する方法です。
MTCオイルやオリーブオイルであれば、そのまま食材にかけるだけでドレッシング代わりにもなります。
気軽に脂質を摂取する方法として、非常に便利に利用できるでしょう。
油をそのまま食事に利用することに抵抗がある場合は、グラスフェッドバターを使ったバターコーヒーを楽しむ方法もおすすめです。
ケトジェニック中の外食はどうしたらいいですか?
ケトジェニックダイエット中でも、メニューを厳選すれば外食も十分可能です。
基本的な考え方は、ケトジェニック中に食べてもOKなもの、NGなものと同じなので、炭水化物はできるだけ避けましょう。
単品メニューを選べるファミリーレストランなどであれば、食べられるものも多くなります。
ステーキや焼肉、焼き魚単品とサラダなどの組み合わせがおすすめです。
セットにするとご飯やパンがついてくるので、意識して避けるか量を少なくしてもらいましょう。
またハンバーガーなどファーストフードでは、ナゲットやサラダなどサイドメニューであれば利用可能です。
ハンバーガーのバンズが糖質オーバーになることはもちろん、ハンバーグに使われているパン粉など「つなぎ」にも注意が必要です。
ケトジェニックダイエットまとめ
今回はケトジェニックダイエットについて、痩せる仕組みから摂取カロリーの例までご紹介してきました。
徹底した管理が必要になるダイエットなので、中々挑戦しにくいと感じる方も多いでしょう。
しかし、きちんと理論が確立されているダイエットなので、短期間で効果を実感できる可能性も高いダイエットです。
「◯月までに〇キロ落としたい」「できるだけ短期間のうちに体重を落としたい」このように考える方にとっては、非常におすすめできるダイエットです。
何事も始める前は難しそうに感じるものですが、始めてしまえば思っていたより簡単だったと言うこともあるでしょう。
カロリー計算例などを利用して、ぜひケトジェニックダイエットに挑戦してみてください。
「食事の管理を徹底するダイエットは自分には難しそう!」と感じた方にはGLP-1ダイエットというそもそもの食欲を抑えるダイエット方法もあります。
GLP-1ダイエットの飲み薬であるリベルサスの効果は「食べたい」と思う気持ちを減少させ食事の量を無理なく減らせるという点にあります。
現在はさまざまなダイエット方法がありますので、自分に合った方法を見つけてみてください。
痩せたいと思う気持ちがある今こそ、ダイエットの始め時です。