デュタステリドの効果は?副作用や他AGA治療薬との違いを徹底解説

AGA治療にデュタステリドを検討しているけれども、本当に効果があるのか不安で使用をためらっていませんか?

デュタステリドは日本でも承認されているAGA治療薬で、正しく服用すると大きな効果を見込めます。

多くのAGA専門クリニックで処方されているデュタステリドは、薄毛の予防実績が豊富な治療薬です。

せっかくAGA治療を行うのならば、確実に効果のある医薬品を使用したいと考える方も多いでしょう。

デュタステリドの使用で起こる副作用や、他の治療薬との違いを理解すると適切なAGA治療を行えます。

今後AGA治療を検討している方は、ぜひご一読ください。

目次

デュタステリドはAGAの進行を抑える効果が期待できる 

薄毛が気になりはじめたら適切な医薬品での治療が大切ですが、デュタステリドにはAGAの進行を食い止める働きがあります。

AGAは5αリダクターゼという物質を原料にして作られるジヒドロテストステロン(DHT)により進行します。

デュタステリドはこの5αリダクターゼの動きを妨害してジヒドロテストステロンを作らせません。

他にもデュタステリドには下記の効果・特徴があります。

  • デュタステリドはフィナステリドより薄毛の抑制効果が期待できる
  • デュタステリドは生え際、前髪の薄毛抑制効果が期待できる
  • デュタステリドは薄毛の進行を抑え、ミノキシジルは発毛を促進する
  • ザガーロはデュタステリドを含んだAGA治療薬
  • アボルブはデュタステリドを含んだ前立腺肥大症の治療薬

デュタステリドを詳しく知って薄毛治療を効果的に進めましょう。

デュタステリドはフィナステリドより薄毛の抑制効果が期待できる

薄毛の治療といえばフィナステリドが有名ですが、デュタステリドはより大きなAGA予防の効果が見込めるでしょう。

デュタステリドとフィナステリドはAGAの原因となるジヒドロテストステロンを作る原料になる5αリダクターゼを阻害する効果があります。

5αリダクターゼには1型と2型という2種類があり、デュタステリドは両者に対して効き目があります。

I 型と II 型の両方を抑制する薬剤にドゥタステリド(dutasteride)がある。

引用元:日薬理誌「男性型脱毛症治療の現状と今後の展望」

対してフィナステリドは2型には効果がありますが1型に有効性はありません。

フィナステリドも薄毛治療には効果的ですが、デュタステリドはさらに高い効果が期待できるでしょう。

デュタステリドは生え際・前髪の薄毛抑制効果が期待できる

AGAになりやすいのは前頭部と頭頂部周辺ですが、デュタステリドは側頭部や後頭部の薄毛治療にも有効です。

薄毛の原因になるジヒドロテストステロンの原料は5αリダクターゼですが、1型と2型がありそれぞれ分布範囲が異なります。

5αリダクターゼ1型はほぼ全身の皮脂腺に発生し、頭皮では後頭部と側頭部に多く存在します。一方2型は、髪の生え際である前頭部や頭頂部に多く存在します。

I 型は至適 pH が中性で全身の皮膚・皮脂腺に存在し,II 型は至適 pHが弱酸性で,前立腺や髭,前頭部毛包などに局在している

引用元:日薬理誌「男性型脱毛症治療の現状と今後の展望」

デュタステリドは5αリダクターゼ1型にも有効なので、頭部全体の薄毛進行を抑える効果が期待できるでしょう。

フィナステリドでは後頭部や側頭部の薄毛治療は困難でしたが、デュタステリドでは頭部全体のAGA治療に効果があるので、気になる方は使用を検討してみてください。

デュタステリドは薄毛の進行を抑え、ミノキシジルは発毛を促進する

AGAの治療に効果的なデュタステリドですが、頭髪が生える効果はないので発毛を促したい方はミノキシジルの使用を検討してみてください。

そもそもAGAとは下記の状態を指します。

AGAとは、Androgenetic Alopecia の略で、「男性型脱毛症」の意味です。

成人男性によく見られる髪が薄くなる状態のことです。思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられます。

引用元:岡山大学医学部歯学部附属病院薬剤部 医薬品情報室発行「薬の窓口」

例えばAGAの治療と発毛を同時に行いたい場合はデュタステリドだけでは不十分で、発毛効果のあるミノキシジルの使用も必要になります。

多くのAGA専門のクリニックではAGA治療と発毛を同時に進行するプランがあるので、気になる方は医療機関へ問い合わせてみてください。

ザガーロはデュタステリドを含んだAGA治療薬

AGA治療では「ザガーロ」という医薬品がよく使われますが、これはデュタステリドの成分を含んだ治療薬です。

ザガーロは日本でもAGA治療薬として承認されている医薬品ですが、もともとは前立腺肥大の治療に開発された薬でした。

投与した患者の薄毛が改善していったことから、ザガーロは新たにAGAの治療薬として開発されました。

現在ではデュタステリドの含有量が0.1mgと0.5mgの製品が販売され、日本では医師の処方により購入可能です。

ザガーロは薬品名でデュタステリドは成分ということを覚えておきましょう。

アボルブはデュタステリドを含んだ前立腺肥大症の治療薬

デュタステリドを含有している薬はザガーロの他に「アボルブ」があります。

アボルブはザガーロと同じグラクソ・スミスクライン社が販売しているもので、成分も全く同じです。

ですがザガーロがAGA治療薬として販売しているのに対し、アボルブは前立腺肥大症の治療薬として販売・使用されています。

アボルブは日本では未承認の薬なので、AGAの治療目的で使用して副作用が起こった場合は保証の対象外になってしまいます。

一部のクリニックではザガーロよりも安価なアボルブの処方を勧めるところもありますが、万が一のことを考えると日本で承認済みのザガーロの方が良いでしょう。

アボルブとザガーロは成分も販売元も同じですが、使用目的が異なることを覚えておきましょう。

デュタステリドの効果・AGA治療実績

多くのAGA専門のクリニックでは治療実績を公開しています。

医療機関を選ぶ際の参考になるので、どのような治療が行われているのか比べてみてください。

AGAオンクリのデュステリドを使用した治療実績

  • 治療費:初月〜6か月目16,500円(税込)/6ヵ月目〜18,150円(税込)
  • 処方内容:初月〜6ヶ月はデュタステリド・ミノキシジル5mg、6ヶ月服用後服用後10mgへ変更
  • 副作用:初期脱毛、多毛症、制欲減退、肝機能障害、頭皮のかぶれ、動機,息切れ,手足のむくみ

(画像は服用から6ヶ月後)

  • 治療費:月額29,700円(税込
  • 処方内容:デュタステリド、ミノキシジル5mg、外用15%
  • 副作用:初期脱毛、多毛症、制欲減退、肝機能障害、頭皮のかぶれ、動機、息切れ、手足のむくみ

(画像は服用から12ヶ月後)

  • 治療費:初月21,450円(税込)/2か月目以降29,700円(税込)
  • 処方内容:1ヶ月のみデュタステリド・外用薬15%、2ヶ月目以降デュタステリド・ミノキシジル5mg・外用薬15%
  • 副作用:初期脱毛,多毛症、制欲減退、肝機能障害、頭皮のかぶれ、動機、息切れ、手足のむくみ

AGAヘアクリニックのデュステリドを使用した治療実績

  • 治療費:月額28,200円(税込)
  • 治療薬:デュタステリド配合内服薬、ミノキシジル配合内服薬、ミノキシジル外用薬

(画像は7ヶ月目と12ヶ月目)

  • 治療費:月額21,200円
  • 治療薬:デュタステリド配合内服薬、ミノキシジル外用薬

(画像は2ヶ月目と7ヶ月目)

AGAスキンクリニックのデュステリドを使用した治療実績

(治療6か月後)

  • 治療費:1ヶ月あたり93,500円(税込)
  • 副作用Rebirth…多毛症・胸の痛み・動悸・息切れ・めまい・一時的な血圧の低下・手や足のむくみ・腹痛・睾丸痛・頻尿・性欲減退・初期脱毛
  • 副作用Dr’sメソ…出血・頭痛・血圧の低下

ドクターコメント
こちらの患者さまは頭頂部の薄毛の進行が進んでいましたが、6ヶ月目で地肌が見えないほどまでに毛量が回復しました。現在も治療中であり、更なる毛量増毛を目指しています。 毛量が増え、毛のコシも良くなり、印象がとても若返り、患者さまの気持ちも明るくなってきた感じがします。

(治療6か月後)

  • 治療費:1ヶ月あたり93,500円(税込)
  • 副作用Rebirth…多毛症・胸の痛み・動悸・息切れ・めまい・一時的な血圧の低下・手や足のむくみ・腹痛・睾丸痛・頻尿・性欲減退・初期脱毛
  • 副作用Dr’sメソ…出血・頭痛・血圧の低下

ドクターコメント
全体的に進行している患者様で、主に前頭部右側が著しく後退されていました。スコープで見ると毛穴から毛がでていないところもあり毛髪・頭皮の状態も悪かった為、Dr’sメソセラピーの施術を月に一度受けていただきました。生え際の境目が改善され、正面からみた印象が変わり、髪の毛が生えることで年齢も若々しく見えます。

デュタステリドが効かない人の特徴 

薄毛改善に効果のあるデュタステリドですが、なかには効果が感じられない方もいるでしょう。

デュタステリドを使っていても効き目を感じられない人には一定の特徴があります。

AGA治療がなかなかうまくいかずに悩んでいる方は、これらの原因にあてはまっていないか確認してみてください。

デュタステリドの服用期間が短い

AGAの治療は長い時間をかけて徐々に成果が出るもので、デュタステリドを使ったからといってすぐに薄毛が改善されるわけではありません。

デュタステリドの効果が出始めるのは早い人で3ヶ月、通常は6ヶ月程度かかり、効き目が実感できるまでに多くの時間が必要になります。

独立行政法人・医薬品医療機器総合機構ではデュタステリドについて下記の説明をしています。

投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。

本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の改善がみられない場合には投薬を中止すること。また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

仮に3ヶ月使用して薄毛改善がみられない場合でも、デュタステリドは即効性のある医薬品ではないので焦らずに服用を続けてみてください。

薄毛の原因がAGA以外である可能性

AGAは男性型脱毛症という薄毛ですが、それ以外が原因の場合はデュタステリドを使っても効き目を感じられません。

薄毛には円形脱毛症や脂漏性脱毛症などAGA以外にもさまざまな要因があるため、症状に合った治療法が重要です。

独立行政法人・医薬品医療機器総合機構ではデュタステリドについて下記の説明をしています。

男性における男性型脱毛症のみの適応である。他の脱毛症に対する適応はない。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

自分の薄毛の症状を確認するためには、AGA治療を行っているクリニックで診察を受けるのが確実です。

AGAの治療を開始する前に薄毛の原因を見極め、適切な処方を行ってください。

個人輸入した正規品ではないデュタステリドを服用している

デュタステリドは医療機関で処方してもらう以外にも個人輸入などで入手できます。

ですが海外などで手に入れたデュタステリドは偽物も多く、効果が出ないケースも多々あるので注意が必要です。

日本の病院で処方してもらうよりも海外から輸入した方がデュタステリドは安価なケースが多いので、ついつい手を出してしまう方も多いでしょう。

海外製のデュタステリドは含有量の少ないものも多いので、本来の効果が得られなかったなどの報告も頻繁にあります。

また日本で承認されていない薬は副作用が起こっても対処してもらえないケースがほとんどなので、安全面でも不安が残ります。

日本国内で正規に流通している医薬品は

~中略~

品質、有効性及び安全性が担保されているが、承認等を受けていない医薬品
等を輸入する場合)にはそのような保証がなく、保健衛生上の危険性がある

引用元:厚生労働省医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課「医薬品等輸入確認要領」

デュタステリドの効果をしっかり受けるためにも、日本の医療機関で処方されたものを使いましょう。

デュタステリドは予防薬なので、髪を生やす効果はない

「デュタステリドを使っているのに全然髪が生えてこない」と感じている方もいると思いますが、デュタステリドを使用しても発毛は期待できません。

AGAという脱毛症に効果があるのがデュタステリドで、多くの治療に使われてきましたがあくまでも抜け毛を予防するための薬です。

「AGAの治療をすると髪が生えてくる」わけではなく、発毛には発毛のための治療が必要になります。

AGA専門クリニックの多くは発毛効果のあるミノキシジルをデュタステリドと併用して、薄毛予防と発毛を同時に進めています。

デュタステリドの効果範囲を知り適切な治療を行いましょう。

初期脱毛を薄毛が進行していると勘違いしている

「デュタステリドを使用しているのにどんどん髪が抜けていく」と感じている方もいると思いますが、これは初期脱毛という正常な症状です。

初期脱毛とはAGA治療を始めた初期段階で起こる抜け毛が増える現象です。

頭髪の乱れた発毛サイクルを整えるために必要な現象なので、初期脱毛が起こるということは正常に治療が進んでいる証でもあります。

AGA治療を開始して1〜2ヶ月目くらいに抜け毛が増えたと感じても、特に心配はいりません。

デュタステリドの効き目が感じられないと勘違いせずに、地道に治療を続けてみてください。

デュタステリドの副作用は勃起不全(ED)、乳房障害などがある

他のAGA治療薬と同様にデュタステリドにも副作用が発生する恐れがあります。

デュタステリドによる副作用の内容や特徴は下記です。

  • 勃起不全(ED)や性欲減退、精子減少
  • 乳房障害は発現率1%未満と低い
  • 気力低下やうつ症状が見られる
  • 肝機能障害は極めて稀に起こる
  • アレルギー反応で蕁麻疹が出る

副作用の発生確率は低いデュタステリドですが、全く起こらない訳ではないので発生内容をしっかりと確認しておいてください。

デュタステリドの副作用:勃起不全(ED)や性欲減退、精子減少

EDや性欲減退などの生殖器に関連する障害は、デュタステリドの使用で起こる可能性のある副作用です。

下記は日本皮膚科学会によるデュタステリドに関する副作用の調査報告になります。

デュタステリドの副作用に関して、前述の国際臨床試験において、有害事象頻度はリビドー減少 3.3%、インポテンツ 5.4%、射精障害 3.3%。

引用元:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

発生確率は低いですがデュタステリドの使用による生殖器への副作用は報告されているので、気になる症状が合った場合は使用をやめ医師に相談してみてください。

デュタステリドの副作用:乳房障害は発現率1%未満と低い

とても低い発生確率ですがデュタステリドの副作用には乳房障害があります。

1%未満 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

乳房障害とは乳房に痛みを感じたり大きくなってしまう現象です。

デュタステリドの使用中に乳房や乳頭に痛みを感じたり巨大化してしまった場合は、副作用の可能性があるので受診中のクリニックに相談してみてください。

1%未満と発現率は低いですがデュタステリドによる副作用の1つなので、少しでも気になる症状がある場合は無理して治療を続けずに様子を見ましょう。

デュタステリドの副作用:気力低下やうつ症状が見られる

なかなか気力が上がらなかったり、うつのような状態になったときはデュタステリドの副作用を疑ってみてください。

独立行政法人・医薬品医療機器総合機構の調査によると、うつや頭痛などの発生は1%未満となっています。

1%未満 頭痛、抑うつ気分

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

普段と特に変わらないはずなのになぜか気力がわかないときなどは、デュタステリドによる副作用の可能性もあります。

AGA治療は継続が大事ですが、デュタステリドによる副作用が感じられるときは無理をせずに使用を中止しましょう。

デュタステリドの副作用:肝機能障害は極めて稀に起こる

確率はかなり低いですが、肝機能障害もデュタステリドの副作用として起こる可能性があります。

独立行政法人・医薬品医療機器総合機構の調査による報告は下記です。

AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

内服したデュタステリドは肝臓を通して分解されます。

デュタステリドは毎日服用する薬のため肝臓にかかる負担も大きくなりがちです。

肝機能障害の発生確率は1%未満と低いですが、発生してしまうと重大な事象になりかねません。

デュタステリドを使用してのAGA治療中に異変を感じたときは、ただちに服用を中止し医師の診察を受けてみてください。

デュタステリドの副作用:アレルギー反応で蕁麻疹が出る

アレルギーがある方の場合はデュタステリドの服用で蕁麻疹(じんましん)になる恐れがあります。

蕁麻疹は体がかゆくなる現象ですが至る所に発生する可能性があり、口の周辺などにできた場合は注意が必要です。

またひどいときにはアナフィラキシーショックを起こすケースもあるので、重症化させないように気をつけましょう。

ちょっとした体のかゆみは見落としがちですが、デュタステリドの使用中は副作用ではないか意識してみてください。

デュタステリドの副作用が出た場合にやるべきこと

副作用の発生確率がとても低いデュタステリドですが、全くないわけではないので使用中は常に注意が必要です。

万が一副作用の可能性があるときは上記の点に気をつけてみてください。

デュタステリドの使用中に体に異変を感じたら早めの対応を心がけましょう。

​​デュタステリドの服用量を減らすか使用を中止する

体の異変を感じデュタステリドの副作用が疑われるときは、迷わず服用を中止するか減らしましょう。

デュタステリドの副作用は服用をやめるとおさまるケースが多々あります。

例えば体にかゆみを感じるけれども副作用なのかわからない場合は、一旦使用を中止するとデュタステリドが原因なのかがわかります。

また内臓に違和感を感じたときは重大な事象になる前に、すぐにデュタステリドの服用をやめてください。

AGA治療は続けることが大切ではありますが、副作用の可能性がある場合は一時的にデュタステリドの使用を中止してみてください。

AGAクリニックの医師の診察を受ける

デュタステリドの使用中に体に異変を感じたときは、迷わずAGA専門クリニックの診察を受けてください。

AGAの治療中に起こる副作用の発生確率はとても低いですが、全く起こらないわけではありません。

デュタステリドに関してもいくつかの発症が報告されているので注意が必要です。

軽い頭痛や体のかゆみなどは放っておきがちですが、最初は小さな症状でも悪化して重大な事態になる可能性もあります。

デュタステリドによる副作用の疑いがある場合は、受診中の医師に相談してみてください。

デュタステリドを服用する際の注意点 

デュタステリドは安全性の高い医薬品ですが服用時には上記の注意点を守りましょう。

いずれもデュタステリドを使用するうえで大切な点なので気をつけてみてください。

デュタステリドの用量・用法を必ず守る

医薬品には定められた用量、用法がありますが、デュタステリドを服用する際も必ず守りましょう。

薬の効果を最大限発揮させるためには、決められた量や服用間隔などの厳守が重要です。

すぐにデュタステリドの効果を得たいからといって大量に服用しても、効き目は変わらないばかりか体調に異変をきたす可能性もあります。

  1.  投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。
  2.  本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の改善がみられない場合には投薬を中止すること。また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。
引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

また薬を飲む間隔にも注意が必要で、短い時間で服用しても意味がありません。

デュタステリドを服用する際は必ず用量、用法をしっかりと確認しましょう。

前立腺がん検査を受ける予定があるなら事前に医師に伝える

デュタステリドを服用中に前立腺がんの検査を受ける場合は必ず報告しましょう。

前立腺がんの検査はPSA(血清前立腺特異抗原)の値を調べますが、デュタステリドの使用中は下記の注意点が報告されています。

デュタステリドは前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)を低下させます。

これはデュタステリド内服中に前立腺癌になりにくくなるわけではなく、逆に前立腺癌が発生した際に見落とされ、治療が遅れて悪化してしまう可能性を含んでいます。このためデュタステリドは泌尿器科専門医の監視の元で使用されることが勧められます。

引用元:九州大学大学院医学研究院泌尿器分野

デュタステリドにはPSA値を下げる働きがあるため、前立腺がんの検査をしても正常な結果が得られない可能性があります。

前立腺がんの発見の遅れは生死に関わる重大な事柄なので、検査の際は必ずデュタステリドを服用中であることを伝えましょう。

女性、未成年はデュタステリドを服用してはいけない

デュタステリドは男性の薄毛進行を予防する薬なので女性が使用してはいけません。

また未成年者も有効性が確認されていないため使用を控えてください。

女性のデュタステリド服用に関して下記の報告がされています。

  • 妊婦に投与する DHTの低下により男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがあり女性への投与は禁忌である。
  • 女性型脱毛症には内服療法を行うべきではない。
引用元:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

また日本では医薬品の臨床試験が20歳以上が対象となるため、未成年の方は安全性が確認されておらず使用は控えた方が良いでしょう。

なおデュタステリドは「経皮吸収」といって、接触するだけで成分を吸収してしまうので女性や未成年の方は絶対に触らないようにしましょう。

デュタステリドを使ったAGA治療は成人男性のみ行うようにしてください。

デュタステリドはAGA以外の薄毛には効果がない

薄毛予防に効果があるデュタステリドですが、AGAにのみ有効で他の薄毛には予防効果はありません。

薄毛にはAGAの他にもさまざまな原因がありますが、デュタステリドがAGA以外の薄毛予防に効果があったというデータは存在しません。

円形脱毛症や脂漏性脱毛症などが薄毛の原因の場合は、デュタステリドは効かないので他の治療方法を検討する必要があります。

薄毛が気になり始めたらまず専門のクリニックを受診して、原因をつきとめてから治療方法を検討してみてください。

肝臓が弱い人は必ず事前に医師に相談する

デュタステリドの使用前に肝機能に不安のある方は医療機関に相談してみてください。

副作用に肝機能障害のあるデュタステリドはもともと肝臓が弱い方は使用に注意が必要です。

本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

デュタステリドの使用でさらに肝機能を悪化させてしまう可能性もあります。

直近の健康診断などで肝機能に異常があった場合などは、AGA治療を行う前に必ず医師に報告しましょう。

肝臓以外の内臓に不安がある場合も、AGA治療の前に医療機関に相談してみてください。

デュタステリドに関するQ&A 

AGA治療に効果的なデュタステリドですが、まだまだわからない部分がある方も多いでしょう。

デュタステリドに関してよくある疑問点をまとめました。

  • デュタステリドを服用すると体毛が薄くなる?
  • デュタステリドは市販や通販で買える?
  • 効果が出始めたらデュタステリドの服用を2日に1回にしてもいい?
  • デュタステリドと飲み合わせてはいけない薬はある?

今後AGA治療を行うにあたり、大切なことばかりなので詳しく説明します。

デュタステリドを服用すると体毛が薄くなる?

デュタステリドを使って体毛が減ることはなく、逆に全身の毛が増える傾向があります。

多毛症という副作用がデュタステリドの使用で確認されており、体の毛が濃くなる現象が起こりえます。

普段は毛が生えていない部分も濃くなるなど、発生確率は低いですがデュタステリドの副作用として確認されています。

あまりに気になる場合はデュタステリドの服用をやめるとおさまるので、一時的に中止してみてください。

AGA治療中に多毛症が発生した場合は医療機関に相談してみましょう。

デュタステリドは市販や通販で買える?

医療機関で処方してもらう以外にもデュタステリドは海外通販などで買えますが、購入先には注意が必要です。

安価で出回っている海外製のデュタステリドですが、含有量や安全性に関しては未知数な部分が多々あります。

仮に海外製のデュタステリド使用して副作用が発生しても保証してくれるところはありません。

自ら個人輸入してデュタステリドを使用するのはリスクの高い行為なので、やめておいた方が無難です。

また日本ではデュタステリドの市販品はなく、薬局やドラッグストアで購入はできません。

デュタステリドを使ってAGA治療を行いたいときは専門のクリニックを受診してみてください。

効果が出始めたらデュタステリドの服用を2日に1回にしてもいい?

デュタステリドによるAGA治療で効果が出始めても自己判断で服用回数の変更はやめましょう。

デュタステリドは1日1回の服用を長期間続けると高い薄毛予防効果が期待できる医薬品ですが、用量、用法は定められており処方通りの服用が大切です。

男性成人には、通常、デュタステリドとして0.1mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与する。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

徐々に薄毛が改善されてきたからといってデュタステリドの摂取回数を減らすと、体内に成分が残らない時間帯ができてしまいます。

その結果せっかく改善されてきた薄毛の進行が、再び始まってしまう恐れがあるので注意が必要です。

デュタステリドは1日1回の服用が大切なので、効果の出る出ないにかかわらず長期間続けてみてください。

デュタステリドと飲み合わせてはいけない薬はある?

医薬品には同時に使用してはいけない薬(併用禁忌)がありますが、デュタステリドに併用禁忌はありません。

ですがデュタステリドとの併用に注意が必要な薬はあります。

注意したいCYP3A4阻害薬

  • プロテアーゼ阻害薬(リトナビル、インジナビルなど)
  • マクロライド抗生物質(一部)
  • アゾール系抗真菌薬(一部)
  • ネファドゾン(抗うつ薬)
  • カルシウム拮抗剤(一部)
引用元:イースト駅前クリニック「ザガーロ(デュタステリド)の副作用とは?対処方法や併用禁忌薬、その他注意点」

デュタステリドはCYP3A4という代謝酵素により分解されますが、CYP3A4阻害薬と同時に飲むと分解されずに残ってしまいます。

その結果血中濃度の上昇や腎臓の機能低下などの恐れがあるので注意が必要です。

デュタステリドに併用禁忌はありませんが、注意しなければならない薬はあるので服用時は気をつけてください。

デュタステリドの効果・副作用|まとめ

AGA治療薬として効果の高いデュタステリドですが下記の特徴があります。

  • AGAの進行を防ぐ効果がデュタステリドにはある
  • デュタステリドの効果が感じられない場合は原因を調べる必要がある
  • 確率は低いがデュタステリドの服用で副作用が発生する場合がある
  • 用法、用量を守ってデュタステリドを服用する

デュタステリドは日本でも承認されているAGA治療薬で、正しく使用すると大きな効果が見込めます。

AGA治療は早く開始するとその後の効果がでやすいので、薄毛が気になりはじめたら専門のクリニックを受診してみてください。

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