内科でもらえる痩せる薬には、肥満症治療として保険診療で適用可能な「サノレックス」という薬があります。
ですが、処方してもらうためのハードルは高く「高度肥満症の方かつ使用は3か月まで」という制限があるため、ダイエット目的での利用は難しくなっています。
そこで、ダイエットとして痩せる薬を処方してもらいたい場合は、保険適用外の自由診療を利用する。
ということであれば、ダイエット薬として内科や美容クリニックでサノレックス以外にも痩せる薬をもらうことが可能になります。
痩せる薬の副作用や注意点を含めて、内科でもらえる痩せる薬の種類やおすすめ・安く買う方法などを解説ししていくので、痩せる薬でダイエットをはじめたい方は参考にしてください。
内科でもらえる痩せる薬は5種類|ダイエット外来・肥満外来
今痩せる薬として注目されているGLP-1メディカルダイエットですが、現在の日本では「GLP-1受容体作動薬」を痩せる薬として保険診療でもらうことはできません。
GLP-1受容体作動薬は海外では肥満症治療薬として使用されていますが、日本ではまだ糖尿病治療薬としてのみ保険の適応です。
しかし、保険を使わずに自由診療であれば、医師から薬を処方してもらうことができます。
内科でもらえる痩せる薬は5種類あります。
まず、どのような痩せる薬の種類があり作用機序で痩せるのか、薬剤ごとの効果や特徴、使用方法などについて解説します。
GLP-1受容体作動薬 | SGLT2阻害薬 | ビグアナイド系 | 脂肪吸収抑制剤 | 食欲抑制剤 | |
---|---|---|---|---|---|
種類 | ・リベルサス ・サクセンダ ・オゼンピック ・ビクトーザ | ・スーグラ ・ルセルフィ ・カナグル ・フォシーガ ・ジャディアンス | ・メトホルミン | ・ゼニカル | ・サノレックス(マジンドール) |
効果 | ・自然と食欲がなくなるため体重が減少する | ・尿中の糖を排泄するために体重が減少する | ・新しく糖が作られるのを抑える ・糖の消費を助ける | ・脂肪の吸収を抑制する ・脂肪を便の中に排泄する | ・食欲中枢を刺激して食欲をなくす |
特徴 | ・お腹が空きにくくなる ・満腹感が続く ・リバウンドしにくい | ・尿量が増える ・泌尿器系の感染症のリスクがある | ・脱水に注意が必要 ・下痢、便秘、吐き気などが生じることがある | ・下痢になることがある ・急な便意がでる | ・依存性がある ・止めると食欲が戻る |
用法・用量 | 注射タイプ ・1日1回 ・1週間に1回 内服タイプ ・1日1回、起床時に1錠服用 | 1日1回、1回1錠服用 | 1日2~3回を食後または食前に服用 | 1日3回、毎食直前または毎食中 | 1日1回、昼食前に1錠服用 |
1か月の相場 | 注射タイプ ・1日1回:約25,000円 ・1週間に1回:約20,000円 内服タイプ:10,000円~35,000円程度 | 6,500円~15,000円程度 | 6,000円程度 | 13,000円程度 | 20,000円程度 |
1)今注目の痩せる薬「GLP-1受容体作動薬」
今、さまざまなメディアや広告で痩せる薬として注目されているGLP-1作動薬とはどういったものなのでしょうか。
GLP-1とは
もともと私たちの体内にあるインクレチンというホルモンの1つで、血糖が高いときにだけ小腸から分泌されてインスリンを出すように働きます。
GLP-1受容体作動薬とは
私たちの体にあるホルモンを上手く利用し、少しの食事量で満腹感を得られるようになり、食事量が自然と減ることで体重が減少していく体質に変えるものです。
GLP-1受容体作動薬を用いると、胃の中の食物の排泄が遅くなり満腹感が持続する効果があります。
GLP-1受容体作動薬のダイエット効果とは
空腹を感じにくくなり自然と食欲が低下した結果、ダイエットが成功するという優れたものです。
また、私たちの体は食事をするとインスリンというホルモンが分泌され、血糖が高くならないようにコントロールをしています。
GLP-1受容体作動薬は、血糖値が高いときにだけインスリンの分泌を促す作用もあるため、急激な高血糖状態を改善するために糖尿病の治療薬として使用されています。
日本人はインスリンを分泌させる能力が低く、特に食後にインスリンを分泌する能力が低いといわれています。GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌を促進させ、低血糖をほとんど起こさずに優れた血糖改善効果を示すため、日本人の2型糖尿病患者さんに適した薬剤として期待されています。
引用元:ノボ ノルディスク ファーマ|糖尿病サイト
インスリンの血糖降下作用はよく知られていますが、実は血中の糖を脂肪として蓄える働きもあるのです。
そのためインスリンが多く分泌され過ぎてしまうと、余分な糖が脂肪として蓄積されて太りやすくなります。
これらを改善するGLP-1受容体作動薬は、自然に食欲を低下させ、脂肪がつきにくい体質へと導いてくれる薬なのです。
そのためダイエットの効果として注目されている痩せる薬になります。
リベルサスは、GLP-1と似た構造を持つ薬です。
一般名はセマグルチドと言い、3mg、7mg、14mgの3つの規格がある錠剤です。
まずは3mgから開始し、4週間経過後に7mgに増量します。
7mgが維持量となりますが、効果が不十分な場合は14mgまでの増量が可能です。
服用すると、胃から吸収されて血糖が高いときにだけ膵臓からインスリンを分泌するように働きかけます。
また、服用することで胃の動きが遅くなり、胃の排泄速度が低下するため空腹を感じにくくなります。
注意点としては、空腹時に服用しないと胃から成分の吸収が悪くなるため起床時に服用することが基本です。
1錠服用するときは、約コップ半分程度の水を飲み、胃からの吸収を阻害しないためにその後30分は飲食を避ける必要があります。
リベルサス®の効果を発揮するためには、服用前後に胃の中を空っぽにしておくことが大切です。
引用元:ノボ ノルディスク ファーマ|リベルサス®錠の服用方法と副作用について
リベルサスを効果的に飲む際の注意点
- 水の飲み過ぎにも注意が必要
- コップ半分以上の摂取はしない
- 光や湿気に弱い薬剤のため、服用の直前にシートから取り出す
- お茶やゼリーなどとの服用は避ける
- 割ったり潰したりせずにそのまま水で服用
1か月にかかる費用の相場は、
- 3mgで約10,000円
- 7mgで約20,000円
- 14mgは約35,000円
です。
リベルサスの効果に関しては下記の記事で詳しく紹介しています。
サクセンダは、一般名がリラグルチドという1日1回注射タイプのGLP-1受容体作動薬です。
日本では未承認の薬であるため、保険診療はできず、副作用が発現しても救済制度の対象にはなりません。
皮下注射のため、ダイレクトに血中の成分が到達し、より高い食欲抑制効果を実感できるでしょう。
サクセンダは、GLP-1受容体作動薬ですので直接インスリンを分泌させるのではなく、血糖が高いときにだけインスリンの分泌を促します。
そのため膵臓を直接刺激することもなく、低血糖のリスクも高くありません。
注射は0.6mgから開始し、経過を観察しながら一週間ごとに0.6mgずつ増やしていきます。
最大使用量は3.0mgですが、維持量や使用量は体調と経過をみながら医師が決定します。
効果は2週間くらいで出てきますが、止めてしまうと食欲が戻るため、3か月~1年程度の継続が推奨されます。
1か月の費用は、
- 約80,000円程度
が相場です。
サクセンダの効果に関しては下記の記事で詳しく説明しています。
オゼンピックは、一般名がセマグルチドという1週間に1回打つタイプの注射薬です。
効き目が長く作られているため、週に1回の投与で効果が持続します。
GLP-1はもともと誰でも持っているホルモンで、食事をすると分泌されますが、すぐに分解されてなくなってしまうため補充することで効果を継続させることができます。
オゼンピックには使い切りタイプのSDと、複数回使用できるオゼンピック2mgがあります。
オゼンピックSDには直接注射針が付いていますが、少し太くて注射の際に痛みがありました。
しかし、オゼンピック2mgは毎回自分で針を付けるタイプであり、その針が細いために痛みが軽減できるという違いがあります。
一回の投与量は0.25mgから開始し、1.0mgまで増量できるため効果や体調などを医師と相談しながら治療をすすめることになるでしょう。
1か月の費用は、
- 約15,000円~40,000円程度
になります。
オゼンピックの効果に関しては、下記の記事で詳しく説明しています。
ビクトーザは、一般名がリラグルチドというGLP-1受容体作動薬の注射です。
サクセンダと同じ成分ですが、開発された目的が異なります。
サクセンダはもともと肥満症に対する治療薬として作られたのに対し、ビクトーザは糖尿病治療薬として開発されました。
成分は同じですが、その開発目的の違いにより、投与量がサクセンダは0.6mg毎の調節できますが、ビクトーザは0.3mg毎の調節が可能です。
どちらも1日1回打つ注射薬です。
用量を細かく調節できるため効果を見ながら副作用を軽減できるという特徴があります。
1か月の相場は、
- 約65,000円
です。
参考:医療用医薬品|ビクトーザ
2)GLP-1と併用可能な「SGLT2阻害剤」
SGLT2阻害薬とは、尿の中に糖を出す働きの薬剤です。
SGLTとは、Sodium Glucose Transporter の略であり体内で糖やナトリウムを取り込む役割をしています。
SGLTには1と2がありますが、糖の再吸収の約90%に関わってるのがSGLT2です。
この部分での糖の再吸収を抑えることで、尿の中に糖を排泄させることができる仕組みです。
血糖値を下げる薬ですが、その作用により体重減少効果もあります。
GLP-1は血糖が高いときにだけインスリンの分泌を促進するホルモンですが、SGLT2阻害薬は腎臓の近位尿細管での糖の再吸収を防ぐ薬剤のため併用が可能です。
スーグラは、一般名イプラグリフロジンといい、日本で最初に発売されたSGLT2阻害薬です。
25mgと50mgの2種類の規格があり、1日1回朝食後または朝食前に1錠服用します。
食事による影響はほぼありませんが、尿量が増えることが懸念されるために朝の服用となっています。
基本的には50mgが維持量となりますが、効果が不十分な場合には1日100mgまでの増量が可能です。
逆に、腎機能が低下している人には25mgに減量して使用される場合もあります。
70歳以上の高齢者の場合、脱水になりやすく、また脱水にも気づきにくいため、高齢ではないやや太っている人に向いています。
1か月にかかる費用は
- 約7,000円~13,000円
です。
参考:医療用医薬品|スーグラ
ルセフィは、一般名をルセオグリフロジンといい、2.5mgと5mgの2規格がある錠剤です。
1日1回、朝に服用します。
ルセフィには、口の中で崩壊するフィルム錠のタイプの剤型もあるため、嚥下機能が低下している方にはおすすめです。
作用機序は他のSGLT2阻害薬と同じですが、複数の代謝酵素によって代謝されるという特徴があります。
1つの代謝酵素によって代謝される薬剤の場合、その代謝経路が阻害されてしまうと全身のクリアランスが低下してしまいます。
しかし、代謝酵素が複数ある場合、1つの経路がダメになっても全身に与える影響が少ないというメリットがあります。
1か月にかかる費用は
- 約8,500円
です
参考:医療用医薬品|ルセフィ
カナグルは、一般名カナグリフロジンといい、100mg錠の1つの規格のみ発売されています。
カナグルはSGLT2阻害薬の中でも、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病にも使用できます。
ただし、末期の慢性腎不全や透析中の方には使用できません。
慢性腎臓病(CKD)とは、何らかの原因で腎臓の機能が低下する疾患ですが、血糖が高い糖尿病の人が発症するリスクは一般人よりも高いと言われています。
そのため、血糖コントロールに加えてCKDもケアできることは合併症の予防の観点からもとても有意義な薬です。
1か月にかかる費用は
- 約10,000円~20,000円
となっています。
参考:医療用医薬品|カナグル
フォシーガは、一般名がダパグリフロジンといい、5mgと10mgの2つの錠剤があります。
尿から余分な糖を排泄するために、
- 血糖低下作用や体重減少効果
- 腎機能低下の抑制や腎臓病の進行抑制効果
もあり、慢性腎臓病でも用いられています。
また、他のSGLT2阻害薬は服用するタイミングには朝の縛りがあるのに対し、フォシーガは1日1回であれば飲むタイミングはいつでも構いません。
腎機能が低下している方がSGLT2を使用する場合はフォシーガがおすすめです。
1か月の費用は
- 約10,000円
です。
参考:医療用医薬品|フォシーガ
フォシーガの効果に関しては、下記の記事で詳しく説明しています。
ジャディアンスは、一般名をエンパグリフロジンというSGLT2阻害薬です。
10mgと25mgの2種類の錠剤があり、血糖値のコントロールが不良な場合には25mgまで増量することができます。
また、慢性心不全に対しての適応もありますが、心不全で使用する場合には1日10mgしか使用することができません。
通常、尿を出すためには心臓がポンプのような役割をして働かなければなりませんが、SGLT2を阻害することで自然と尿量が増えるため、心臓の負荷が軽減されます。
また、慢性腎臓病にも使用されることがある薬です。
1か月の費用は
- 約15,000円
です。
3)長い歴史のある「ビグアナイド系」
ビグアナイド系の薬剤は、歴史が長く、安全で安価で多くの国で使用されている薬です。
糖尿病の治療に使われますが、
- 肝臓で新しく糖が作られるのを抑制して血糖コントロールを改善
- 糖の排泄を促す作用がある
- GLP-1の分泌を増やす効果
もあります。
メトホルミンは、古くから糖尿病の治療薬として多くの国でたくさん使用されており、現在の日本でも積極的に使用されている薬です。
膵臓から直接インスリンを分泌するのではなく、
- 肝臓で新しく糖が産生されるのを抑制する
- 筋肉での糖の消費を高める
- 脂肪の合成を抑制する
- 筋肉での脂肪の利用を増やす
- 余分なカロリーを抑える
などの働きがあり、その効果から糖尿病治療薬として活躍しています。
服用開始後に、少しお腹の調子が悪くなる、食欲がなくなる、下痢気味になるなどの消化器系の症状が出ることがありますが時間が経つと軽減されてくることが多いです。
しかし、中には重大な副作用である乳酸アシドーシスが起こることがごく稀にあるため、不調が続く、酷くなる状態がみられた場合は直ちに中止して診察を受けることが重要であるという注意点があります。
1か月の費用の目安は
- 7,000円
です。
4)余分な油分を排出「脂肪吸収抑制剤」
脂肪が吸収されるには、脂肪分解酵素であるリパーゼが脂肪を分解することで体内に取り込める大きさになると吸収されます。
脂肪の吸収を抑制するためには、リパーゼの働きを抑えることで脂肪が分解されずに、大きいまま体外へと排泄されることが作用の仕組みです。
本来食事から摂取した脂肪が、リパーゼによって分解されないことで小腸から吸収されなくなるため、内臓脂肪や体重を減少させることができる効果があるのが脂肪吸収抑制剤です。
ゼニカルは、成分名がオルリスタットという脂肪吸収抑制剤です。
脂肪を分解するリパーゼという酵素をブロックし、脂肪が体内に吸収されるのを抑制することでダイエット効果を発揮します。
吸収されなかった脂肪は、便中に排泄されるため脂っぽい便が出たり、下痢をしやすくなるという注意点があります。
ときには便意のコントロールが困難になるケースもあり、脂を含んだ便で便器を汚すケースもあるかもしれません。
また、脂肪とともに脂溶性ビタミンであるビタミンA,、D、E、Kなども吸収が阻害されるためビタミン不足にも注意が必要です。
市販薬として薬局で薬剤師が販売できる承認が取れた「アライ」と同じ成分です。
「腹部が太めな方の内臓脂肪および腹囲の減少(生活習慣改善の取り組みを行っている場合に限る)」の効能・効果で、厚生労働省より製造販売承認を取得しました
引用元:大正製薬|内臓脂肪減少薬「アライ」の製造販売承認取得のお知らせ
アライはまだ薬価も決まっておらず、発売時期も未定ですが、要指導医薬品として薬剤師の指導のもとで販売できる薬です。
ゼニカルとアライは、成分のオルリスタットは同じですが、用量が異なります。
ゼニカルは1カプセルあたり120mgの成分が含有されていますが、アライは半分の60mgです。
そのため、脂のカット率も異なり、ゼニカルの方が強い効果が期待できます。
ゼニカルについては、日本では承認がされていないため保険診療はできません。
使用したい場合は、医師の処方箋がないと入手することは不可能です。
自由診療で、医師から処方、指導を受けて適切に使用される薬です。
ゼニカルの1か月の費用の相場は
- 15,000円
です。
5)食欲を抑える「食欲抑制剤」サノレックス
食欲抑制剤として、1つだけ日本でも医薬品があります。
商品名「サノレックス」という薬です。
これは、脳の食欲中枢に働きかけ、食欲をなくすように働きかけるものです。
脳の視床下部というところには摂食を司る中枢があり、そこの神経伝達物質であるモノアミンやノルアドレナリンの再吸収を抑制することで効果を発揮します。
食欲抑制効果だけでなく、
- エネルギーの消費を促進する効果
- 代謝を改善する効果
なども持ち合わせています。
サノレックスは、日本で唯一食欲抑制剤として保険適応が認められている薬剤です。
成分はマジンドールという習慣性のあるもので、脳の摂食中枢を刺激して食欲を抑える仕組みです。
覚せい剤の成分であるアンフェタミンと構造が似ているため、劇薬として扱われます。
誰にでも処方できるわけではなく、BMI35以上、肥満度70以上の方で肥満によって健康障害を引き起こしている人に処方されます。
基本的には、食事療法と運動療法を並行し、3か月で使用終了です。
睡眠障害を引き起こすことがあるため、通常は夕刻の服用は避けて使用しましょう。
1か月の薬費用は
- 保険適応された場合は約6,000円
- 自由診療の場合は約20,000円
になります。
内科でもらえる痩せる薬の副作用と注意点
痩せる薬にも、いくつかの種類があり、それぞれ成分や働き方も異なります。
特に、糖尿病治療薬として使われている薬剤は、適正に使用されなけでば重大な副作用や健康被害を招く危険性があり、仕組みと注意点をよく理解しておくことが大切です。
自分の性格や体質にあった薬を選択することで、よりコントロールしやすくなるでしょう。
GLP-1受容体作動薬の副作用と注意点
GLP-1受容体作動薬は、単独では低血糖を起こしにくい薬ですが、糖尿病の疾患があり他の糖尿病薬を併用している方が使用すると、低血糖のリスクは高まります。
また、使用開始直後は、嘔吐、下痢、吐き気、下痢などの副作用が生じることもあります。
軽度な場合は時間の経過とともに消失しますが、中には症状が悪化して腸閉塞になった例も報告されています。
気になる症状が続くときは、早めに専門家に相談することが大切です。
さらに、頻度は不明ですが急性膵炎など重篤な副作用が起こる可能性もあります。
そのため、基礎疾患のある方、糖尿病の方、高齢者などが使用する場合は医師の指示のもと十分な注意と経過観察が必要です。
低血糖のリスクを軽減するために、アルコールの摂取は控えましょう。
SGLT2阻害剤の副作用と注意点
SGLT2阻害薬は、名前の通りSGLT2の働きを阻害し、腎臓の近位尿細管からの糖の再吸収を抑制するという限定的な作用によって血糖低下作用、体重減少効果を起こします。
そのため、インスリンに関わらず糖を尿に排泄して血糖値を下げるため、単独で使用した場合の低血糖の副作用はほとんどありません。
しかし、糖が尿に排泄されることから、尿路感染症や性器感染症、腎盂腎炎などが通常よりも起こりやすくなることがあります。
また、尿量が多くなることで脱水になる可能性もあるため、特に腎機能が低下している方や、高齢者が使用する場合には注意が必要になる薬です。
参考:アステラス製薬|SGLT2阻害薬による特に注意すべき副作用:低血糖
ビグアナイド系の副作用と注意点
ビグアナイド系の薬剤は、単独では低血糖を起こしにくいものですが、
- 冷や汗が出る
- 食欲がなくなる
- お腹が張る
- 気持ちが悪くなる
- 肝機能低下
- 腎機能低下
などの副作用に注意しましょう。
またビグアナイド系の薬には、乳酸アシドーシスという特徴的な副作用があります。
頻度は決して高くはありませんが、血液中の乳酸が増えすぎて血液が酸性になってしまうことで細胞が機能障害を起こし致死率が高くなる症状です。
下痢、悪心、嘔吐、腹痛などの消化器系の副作用からはじまり、進行すると発熱、脱水、低血圧、昏睡、意識障害などの症状が現われます。
このような場合にはすぐに服用を中止して受診をして水分とナトリウムの補充を行うことが必要です。
乳酸アシドーシスを予防するためには、日ごろから脱水にならないように水をこまめに飲む、アルコールを控えるなどに注意しましょう。
脂肪吸収抑制剤の副作用と注意点
脂肪吸収抑制剤は、消化酵素の活性を阻害することで脂肪の吸収を抑制する薬剤です。
この薬によって吸収されなかった脂肪は便として排泄されるため、脂っぽい便が出ることが特徴です。
ときには下痢っぽい症状が出ることもあり、急な便意で下着を汚してしまう可能性もあります。
外出先のトイレの便器を汚してしまうこともあるため、あらかじめ便器にティッシュを敷いておくなどの工夫をすると安心です。
便意のコントロールが不安な場合は、ナプキンなどを用意しておくとよいでしょう。
また、この薬を使用することで、本来は吸収されるはずであった脂溶性ビタミンのビタミンA,、D、E、K、βカロテンなどビタミンの吸収も阻害されることが考えられます。
脂溶性ビタミン不足の対策としては、マルチビタミンのサプリメントを上手に取り入れることがおすすめです。
参考:The National Library of Medicine (NLM)
食欲抑制剤の副作用と注意点
食欲抑制剤のサノレックスは、満腹中枢を刺激して食欲を無くす日本で唯一保険適応が可能な錠剤です。
食欲自体がなくなるため、食事量が減り、体重減少が起こります。
サノレックスの副作用として頻度が高いものは、口が乾く、便秘、眠気、吐き気などがあります。
重篤な副作用では肺高血圧症という、息苦しさ、胸の痛み、動悸などを伴う症状の発現が報告されています。
また、サノレックスの構造が覚せい剤のアンフェタミンと似ているため、精神的・身体的な依存を引き起こす可能性があり、使用期限が3か月までと定められているのです。
最小限の量を最短期間使用すれば、依存性が抑えられますが、長期で使用すると離脱症状が起こり、精神的にもイライラしたり、不眠、不安、幻覚、振るえなどの症状がでたりすることも考えられる薬剤です。
服用は、1日1回ですが、夕刻より遅く服用すると睡眠を妨げることがあるため昼食前に服用します。
内科でもらえる痩せる薬のおすすめは「GLP-1」
GLP-1受容体作動薬は、海外ではダイエット薬として使用されている薬です。
GLP-1受容体作動薬の作用機序としても、副作用に十分注意して使用すれば、
- 自然に食欲がなくなり
- 脂肪がつきにくい体質となる
といった効果を期待できダイエットとしても理想的な薬です。
血糖値のコントロールが良好になれば、過剰なインスリンが分泌されることもなくなり、インスリンの脂肪蓄積作用を心配する必要もありません。
インクレチンというホルモンは、誰もが持っていますが体内ですぐに分解されてしまい数分しか効果がありません。
インクレチンの1つであるGLP-1を上手に利用することで、体にもやさしくダイエットをすることが可能となるのです。
つまり、GLP-1受容体作動薬を使うことで
- 無理な食事制限が不要
- 激しい運動やエクササイズも必要なし
- 自然と食欲がなくなり痩せやすい体質へ
と変えることができるのです。
GLP-1ダイエットの効果は実証されており、無理なく健康的に楽にできるメディカルダイエットとして注目されています。
医療機関を受診する時間がない方や、対面での受診はためらいがちな方には、オンライン処方でGLP-1ダイエットをサポートしてくれるシステムもあります。
スマホでの診察も可能で、お薬も自宅に届くので便利で安心して利用できる仕組みです。
メディカルダイエットGLP-1のメリット
GLP-1受容体作動薬を用いたメディカルダイエットでは、薬の働きによって食欲がなくなるため、極端な食事制限による空腹感に悩まされることはありません。
また、空腹を我慢するストレスもなく、激しいエクササイズや運動を行う必要もないのです。
医師から処方された薬を使用することで、胃からの食物排泄が遅くなり、お腹が空きにくく満腹感を得られやすい体質になります。
また、GLP-1受容体作動薬は血糖が高いときにだけ小腸から分泌されるインクレチンというホルモンを利用しているため、食後の急激な血糖上昇も抑制されます。
急激な血糖上昇は、大量のインスリンを必要とするため、余分な糖が脂肪として蓄えられる状況を防ぐことにも繋がります。
すなわち、脂肪がつきにくい体質へと導いてくれるのです。
医師の診察を受けて処方してもらう薬のため、安心して使用できるのもメリットの1つです。
GLP-1がオンラインで購入できる「DMMオンラインクリニック」
DMMオンラインクリニックでは、GLP-1ダイエットだけでなく、漢方薬や、サプリメントなども合わせて相談することが可能です。
- 飲み薬のリベルサス
- SGLT2阻害薬のジャディアンス
- 医療用漢方の防風通聖散など
医師の診察によって、自分に合った脂肪燃焼プランや糖質カットプランなどを選ぶことでより効率的にダイエットに取り組めるでしょう。
土日もオンライン処方が可能!
DMMオンラインクリニックは平日は8時~22時、土日は8時~21時までの診察時間があります。
予約は24時間可能であるため、時間がなくて病院に行けない人でも利用しやすいクリニックです。
医師やクリニックのサポートがあれば、安心して薬を使用することができます。
お薬もオンライン処方で購入できる他院と比べても安く購入でき、自宅へ届くため便利さも魅力です。
DMMオンラインクリニックでGLP-1受容体作動薬の錠剤を処方してもらう場合、
一か月の費用の目安は
- 約8,000円~26,000円程度
です。
また、DMMオンラインクリニックのGLP-1メディカルダイエットの詳細は下記の記事にまとめました。
SGLT2阻害剤も一緒に買える「イーライフ」
イーライフは、GLP-1受容体作動薬だけでなく、SGLT2阻害薬についても対応してくれますので、自分に合った薬を使用し、無理なくダイエットを継続することが可能です。
- 飲み薬のリベルサス
- 毎日注射のサクセンダ
- SGLT2阻害薬のスーグラ・ルセルフィ・フォシーガ
また、手軽にスマホでもタブレットでもオンライン診察が可能で、診察から薬の受け取りまでの全てをオンラインで済ませることができます。
オンライン診察料・送料全て無料!
医師のカウンセリングも無料で、ラインで相談することもでき、朝7時~夜10時までいつでも診察可能です。
専門の医師がいつでもカウンセリングに応じてくれるだけでなく、オンライン診察も5分から手軽に受けられます。
薬も医療機関が正規に仕入れているものがクロネコヤマトで届くため、時間がない方でも利用しやすいシステムです。
イーライフでは、錠剤のGLP-1受容体作動薬のほか、注射剤の取り扱いもあります。
- 錠剤の場合は、用量によって約8,000円~26,000円程度
- 注射剤の場合は、毎日打つタイプだと1か月約20,000円程度
- 週に1回の注射タイプでは約24,000円程度
の費用がかかります。
また、イーライフではSGLT2阻害薬も一緒に購入可能です。
1か月の費用は、
- スーグラ(25mg):6,400円
- ルセフィ(2.5mg):8,500円
- カナグル(100㎎):8,900円
- フォシーガ(5㎎):9,400円
で提供してくれます。
よりダイエット効果を期待したい場合は、GLP-1受容体作動薬と一緒に組み合わせることができるため幅広い選択肢もありおすすめです。
elife(イーライフ)の口コミや評判は下記の記事にまとめています。
他にもGLP-1おすすめクリニックに関しては下記の記事で紹介しています。
薬局やドラッグストア市販で買える痩せる薬はあるの?
SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬などは、医師の診察が必要な処方箋医薬品であるため薬局やドラッグストアで購入することはできません。
薬局やドラッグストアで変えるのは、サプリメントや漢方薬などです。
不足しているビタミンを補うためのサプリや、血糖上昇を穏やかにする食品、便秘を改善して皮下脂肪を落しやすくする漢方薬などでしたら購入できます。
これらを合わせて上手に利用することで、ダイエットのサポートができるでしょう。
ダイエットサプリは痩せる薬ではない
現在はさまざまなダイエットサプリが発売されていますが、サプリメントは痩せる薬ではありません。
もともと、サプリメントとは「不足を補う」ものです。
しかし、最近では食後の血糖の上昇を穏やかにするものや、食事から摂った糖分や脂肪の吸収を抑えるもの、脂肪の燃焼を促進させるものなどさまざまな商品があります。
食生活の改善、運動習慣の見直しなどを行いつつ上手に使うとダイエットを助けてくれるでしょう。
サプリメントを選ぶ際は、「保険機能食品」であるかどうかを確認しましょう。
特定保健用食品は 身体 生理学的機能や生物学的活動に影響を与える 特定保健用食品は、身体の生理学的機能や生物学的活動に影響を与える保健 機能成分を含み、食生活において特定の保健の目的で摂取をするものに対し、そ の摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品。
引用元:厚生労働省|特定保健用食品 栄養機能食品
保健機能食品にはトクホと呼ばれる特定保健用食品と栄養機能食品があります。
これらは、国が定めた基準をクリアしてるのもなので、ある程度のダイエットの手助け効果が得られるものです。
ダイエットで話題「L-カルチニン」とは?
L-カルニチンは、体に必要なアミノ酸の一種です。
脂肪の燃焼を助けるために、ダイエットに効果があると話題になっています。
L-カルニチンは、脂肪を燃焼させるためにミトコンドリアへと運搬します。
脂質が体内に取り込まれると脂肪酸に分解され、「脂肪酸」+「L-カルニチン」の結合によりミトコンドリア内に運ばれます。こうして、脂質がエネルギーへ変換され、体内で活用されます。
引用元:ILS株式会社|L-カルニチン
そうして脂肪をエネルギーに変える役割を果たしているため、ダイエットサプリメントとして注目されているのです。
足りない分をサプリで補充すると、脂肪燃焼効果のアップが期待でき、基礎代謝も上がるため痩せやすい体質になるでしょう。
しかし、必要以上に摂り過ぎると、嘔吐、下痢、吐き気、腹部の痙攣や、体臭が生臭くなるなどの副作用が生じる危険性があります。
ダイエットで話題「防風通聖散」とは?
防風通聖散とは、脂肪燃焼効果や便秘解消作用などがあり、ダイエットに用いられる漢方薬です。
お腹周りについた皮下脂肪を燃焼させる働きがあり、水太りしやすいぽっちゃりしたタイプの方に向いています。
効果効能
引用元:ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症
ただし、漢方薬であるためご本人の体質に合うかどうかが大切なポイントです。
便秘がちで皮下脂肪が多く、比較的体力がある「実証」の方に向いています。
逆に、下痢や軟便をしやすい、弱々しい、声が小さい、体力がないなどが特徴の「虚証」の方には向かない漢方薬です。
皮下脂肪を燃焼させやすくする漢方薬ですが、並行して食生活の見直し、適度な運動などを心がける必要があります。
内科でもらえる痩せる薬のよくある質問
内科でもらえる瘦せる薬について、よくある質問をまとめました。
はやく痩せたい気持ちがあっても、間違った使い方や乱用をしては意味がありません。
正しい知識を持ち、適正に使用することで効果が得られるものであることを承知したうえで使いましょう。
安全に、安心してダイエットできるように、疑問や不安は解消してからはじめるのがおすすめです。
内科でもらえる痩せる薬は市販で販売していますか?
内科でもらえる痩せる薬と全く同じものを市販で購入することは出来ません。
ですが痩せる薬として、市販では「アライ」という肥満改善薬の承認を大正製薬が2023年2月に取得しました。
この薬剤は、脂肪を分解するリパーゼという酵素の働きを阻害することで、脂肪が分解されて吸収されるのを防ぐ働きにより脂肪の吸収を抑えて内臓脂肪を減少させるものです。
食生活や運動習慣の改善とともに併用することで、肥満症の市販薬として薬剤師の指導のもと薬局で買える薬です。
しかし、価格や発売時期は今のところ未定です。
これ以外では、市販で痩せる薬といえば漢方薬の防風通聖散と防己黄耆湯があります。
どちらも皮下脂肪を落しやすく体質を改善する漢方ですが、防風通聖散は体力がある人向け、防己黄耆湯は虚弱体質の人向けです。
海外の痩せる薬を取り寄せることはできますか?
個人輸入は、偽物や偽造品が届くこともありおすすめできません。
痩せる薬を使用したい場合は、必ず受診することが必要です。
日本国内で正規に流通している医薬品、化粧品や医療機器などは、医薬品医療機器等法に基づいて品質、有効性及び安全性の確認がなされていますが、個人輸入される外国製品にそのような保証はありません。
引用元:厚生労働省|医薬品等を海外から購入しようとされる方へ
特に持病がある方、肝機能、腎機能に不安がある方、高齢者などは併用薬や治療中の疾患にも配慮する必要があります。
糖尿病がある方は、使用中の薬との相互作用も考慮する必要があるため個人輸入での自己治療はしてはいけません。
海外の痩せる薬を取り寄せることは危険を伴うためお控えください。
内科でもらえる痩せる薬で体重を10キロ・20キロ減らすことができますか?
個人差や肥満度にもよりますが、時間をかけると体重を10キロ以上減らすことは可能です。
しかし、一気にダイエットが叶うわけではなく、定期的な受診と医師の観察のもと継続することが必須です。
薬をはじめても効果が出るまでには時間がかかり、途中で止めてしまうとまた食欲が戻ってしまいます。
痩せやすい体質へ変わるまで、適正に薬を続ければ時間をかけて理想の体重まで減量することはできるでしょう。
定期的に薬の使用量や効果の発現の程度などを医師と相談しながら体重を管理していきましょう。
内科でもらえる痩せる薬は保険適用できますか?
現在、日本で「痩せる薬」として保険適応できるのはサノレックスだけです。
しかし、保険でサノレックスを処方するためには、BMI35以上、肥満度+70以上の患者に対し、運動療法と食事療法を行ったうえでの補助療法となります。
一か月使用しても効果がみられない場合は治療が中止となり、3か月という制限があります。
長期で使用すると依存性がでてくる危険があるため、最小の量を短期間のみ保険適応できる仕組みです。
また、ウゴービ皮下注という薬が2023年3月に肥満治療薬として新しく厚生労働省承認され痩せる薬として注目されはじめています。
ウゴービ皮下注の処方にも保険適用するための条件がありますが、発売に関してはまだ未定となっています。
日本でウゴービはいつ発売しますか?
引用元:ノボ ノルディスク ファーマ|ウゴービについて
具体的な日程は未定です。
内科でもらえる痩せる薬「まとめ」
「内科でもらえる痩せる薬」のおすすめは、食欲を抑え、自然と脂肪がつきにくい体質へ変えるGLP-1受容体作動薬です。
私たちの体は、食事をすると血糖値を下げるためにインスリンが分泌されるようになっています。
食後、このインスリンを分泌させるためにインクレチンというホルモンが小腸から出てくるのですが、これがGLP-1です。
インクレチンは、血糖が高いときにだけ分泌されるため、低血糖を招くことはあまりありません。
また、食後の急激な血糖上昇は、インスリンの大量分泌を促し、余分な糖を脂肪へと変えて肥満を助長してしまいます。
このような太りやすい悪循環を改善するためには、急激な血糖上昇を避ける、脂肪を分解しやすくする、代謝をよくすることなどが大切です。
GLP-1はもともとインクレチンの1つとして誰もが持っているホルモンですが、多くある人と少ない人とで個人差があります。
現在は、医師の診察のもと、自分に合った薬剤が選択できるためお悩みの方は相談してみることをおすすめします。
また、GLP-1受容体作動薬はもともと糖尿病治療のための薬ですので、ダイエット目的の場合は副作用や注意点などをしっかり確認してからご利用ください。