フィナステリドの効果や服用するメリットは?副作用や服用時の注意点も解説

AGAが気になり始めたので治療を検討しているが、フィナステリドの効果や安全面が不安で使用をためらっていませんか?

フィナステリドは薄毛予防効果が実証されており、安全性も高くAGA治療に適した医薬品です。

適切な使用により大きな効果を期待できるフィナステリドですが、副作用もあるため正しい知識を身につける必要があります。

AGA治療を行うなら安全かつ確実に効果を出したいと思う方は多いでしょう。

フィナステリドに関する正しい知識を身につけると、AGA治療をスムーズに進められ薄毛改善の効果も実感しやすくなります。

今後AGA治療を検討している方、フィナステリドを使用するべきか迷っている方はぜひご一読ください。

記事監修
医師 郷 正憲

医師:郷 正憲
徳島赤十字病院勤務。日本麻酔科学会専門医。麻酔科だが他科の手術管理を主な業務として行い、幅広い範囲の疾患分野に精通。「あねふろ」名義にてAmazon Kindle電子書籍も出版「看護師と研修医のための全身管理の本」など。

保有免許・資格
医師免許日本麻酔科学会専門医/日本周術期経食道心エコー委員会認定日本救急医学会ICLSコース認定ディレクター

目次

フィナステリドはヘアサイクルを正常に戻す効果が期待できる

AGA治療に効果的なフィナステリドにはヘアサイクルを正常化させる効果があり、結果的に薄毛予防につながります。

ヘアサイクルとは毛周期とも呼び、髪が生えてから抜けていくまでの循環です。

毛髪には毛周期といって毛が成長する時期、成長が止まって抜けていく時期、次の毛が生える時期というサイクルを繰り返す、毛の生え変わり周期があります。

引用元:東京工科大学

AGAはヘアサイクルの異常により起こりますが、フィナステリドは正しい状態に戻す役割を果たします。

他にもフィナステリドには下記の特徴があります。

  • フィナステリドは薄毛の予防効果も期待できる
  • フィナステリドはミノキシジルとの併用で改善効果が高まる
  • フィナステリドの効果は一般的に6ヶ月程度かかる
  • フィナステリドの服用を1年継続した58%の人が効果を実感

フィナステリドの効果を認識してAGA治療の効果を高めましょう。

フィナステリドは薄毛の予防効果も期待できる

ヘアサイクルを正常化させる効果のあるフィナステリドは、薄毛の進行を防ぐ効果を発揮します。

通常頭髪は休止期、成長期、退行期のヘアサイクルを繰り返し発毛していきますが、異常があると正常な毛髪が生まれずに抜け毛が増えていきAGAにつながります。

AGAは一度発症してしまうと治療しないかぎり症状がどんどん進んでしまう進行性の病気です。

フィナステリドはヘアサイクルを正常化させる働きがあるので、結果的に抜け毛を減らしAGAの進行を遅らせます。

AGA治療は早ければ早いほど効果的なので、少しでも気になり始めたらフィナステリドの使用を検討してみてください。

フィナステリドはミノキシジルとの併用で改善効果が高まる

薄毛予防に効果的なフィナステリドですが、発毛効果のあるミノキシジルと同時に使うとAGAの進行予防と発毛効果の両方を期待できます。

ミノキシジル効果について下記の報告が行われています。

国内では,1%,および 5%ミノキシジル液を用いた,300 名の男性被験者を対象とした観察期間 24 週までのランダム化比較試験が行われ,脱毛部 1 cm2 内の非軟毛数のベースラインからの増加は,1%ミノキシジル群が平均 21.2 本,5%ミノキシジル群が平均 26.4本と,5%ミノキシジル使用群で有意(p=0.02)に増加した.

ミノキシジル外用の発毛効果に関して,高い水準の根拠があるので,男性型脱毛症に 5%ミノキシジル,また女性型脱毛症に 1%ミノキシジルを外用するよう強く勧める.

引用元:日本皮膚科学会・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

ミノキシジルは日本でも承認されている発毛に特化した「攻めの薬」で、薄毛の進行を防ぐ「守りの薬」であるフィナステリドとの併用で大きな効果を発揮します。

AGAクリニックでもフィナステリドとミノキシジルを併用したプランは多いので、治療の際は検討してみてください。

フィナステリドの効果は一般的に6ヶ月程度かかる

薄毛の進行予防を期待できるフィナステリドですが、効果を実感できるまでに約6ヶ月程度かかります。

AGAは時間をかけて治すものですぐに結果が出るわけではなく、早い人でも3ヶ月、通常は半年程度の治療期間が必要です。

フィナステリドの効果に関して下記の報告が行われています。

少なくとも 6 カ月程度は内服を継続し効果を確認すべきである.なお,内服を中止すると効果は消失する.

引用元:日本皮膚科学会・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

フィナステリドを使って治療しているのに効果が出ないといってすぐにやめてしまうと、薄毛の進行は止まりません。

またフィナステリドの効果は一年以上かかって発揮されるケースもあり、人それぞれ治療にかかる期間は異なります。

AGA治療は長期間にわたり行うものなので、焦らずにフィナステリドの使用を続けましょう。

しかしフィナステリド錠である「TCK」には下記の注意書きがあります。

本剤を 6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止すること。

また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

フィナステリドは長期間の服用が好ましいですが、6ヶ月以上服用しても効果が確認できない場合は継続投与せず、

一度医師の診断を受けましょう。

フィナステリドの服用を1年継続した58%の人が効果を実感

長期間の使用で効果が出るフィナステリドですが、1年続けると約58%の人が薄毛改善を実感しています。

フィナステリド(1 mg/日,0.2 mg/日)を用いた,414 名の「日本人」男性被験者を対象とした

観察期間 48 週間のランダム化比較試験において,頭頂部の写真撮影による効果判定では,1 mg/日では 58%が軽度改善以上の効果があり,0.2 mg/日では 54%が軽度改善以上の効果

引用元:日本皮膚科学会・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

また同ガイドラインでは2、3年間継続して服用した結果も公表しています。

引き続き 1 mg/日投与を継続した非ランダム化比較試験では,2 年間および 3 年間の内服継続により,軽度改善以上の効果が各々 68%および 78%の症例で得られ,その率は増加傾向を示した.

引用元:日本皮膚科学会・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

この結果からもフィナステリドの効果を得るためには、長い治療期間が必要だとわかります。

フィナステリドを使用してのAGA治療を検討している方は、すぐに結果を求めずに気長に治療を続けてみてください。

フィナステリドを服用するメリット

副作用が発生する可能性もあるフィナステリドですが、多くのAGA治療クリニックで使われている信頼できる医薬品です。

フィナステリドの服用で得られるメリットは下記になります。

  • フィナステリドは長期服用することで効果アップが期待できる
  • フィナステリドはプロペシアよりも安く購入できる

さまざまな特徴があるフィナステリドですが、メリットを知ると効率よくAGA治療を進められます。

以上の点をふまえてフィナステリドを効果的に使用しましょう。

フィナステリドは長期服用することで効果アップが期待できる

AGAは継続しての治療が大切ですが、フィナステリドも長期間の服用で大幅に薄毛改善の効果が見込めます。

フィナステリドを含んだ医薬品である「NIG」には下記の説明があります。

3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である。また、効果を持続させるためには継続的に服用すること。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

フィナステリドでの治療は最低でも3ヶ月、一般的には6ヶ月の期間が必要で、1年以上続けて使用すると多くの方が薄毛改善の効果を実感しています。

フィナステリドはプロペシアよりも安く購入できる

プロペシアはフィナステリドの成分を含んだ医薬品として有名ですが、ジェネリック医薬品であるフィナステリド錠は同じ効果が期待できます。

そもそもジェネリック医薬品とは下記のものをさします。

「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は、先発医薬品(新薬)の特許が切れた後に製造・販売される、「先発医薬品と同じ有効成分を同量含んでおり、(先発医薬品と)同等の効き目がある」と認められた医薬品です。

引用元:政府広報オンライン

先発医薬品であるプロペシアよりも安価で購入できるのがフィナステリド錠のメリットです。

プロペシアを使用してAGA治療を検討している方は、ジェネリック医薬品のフィナステリド錠も候補に入れてみてください。

フィナステリドの副作用は発現率約1%と非常に低い

他の医薬品と同じようにフィナステリドにも服用による副作用の恐れがありますが、発生確率は約1%と低くなっています。

「フィナステリドを使うと副作用がやばい」と服用をためらっている方もいますが、高い薄毛予防効果に比べると副作用の発生確率は微々たるものです。

フィナステリドによる副作用は主に下記のものがあります。

  • フィナステリドには副作用が起こる可能性がある
  • 肝機能障害を引き起こす
  • 性欲(リビドー)減退の症状がみられる
  • 勃起不全(ED)を発症する
  • 初期脱毛が起こる

副作用の発生確率はわずかですが、どのような症状があるのか知っておくのは重要です。

フィナステリドの副作用に関する正しい知識を身につけて、効率よく治療を進めましょう。

薬には、病気やけがを治したり軽くしたりする働きがある一方で、副作用というものがあります。副作用とは、病気やけがを治すという効果のほかに生じてしまう望ましくない作用のことです。

引用元:政府広報オンライン

いざというときにとても役立つ医薬品ですが、多くの場合副作用が発生する恐れがあります。

フィナステリドも例にもれず副作用が起こる可能性がありますが、心配しすぎて治療をやめてしまうのは好ましくありません。

AGA治療中に副作用が発生しても対処法を知っておくと慌てずに対応が可能です。

副作用に対する理解を深め、適切な治療を行いましょう。

フィナステリドには副作用が起こる可能性がある

AGA治療で使用する薬品に副作用はつきものですが、フィナステリドも同様に発生する可能性があります。

なかなか効果が出ないからといってフィナステリドの使用をやめずに、AGA治療を根気よく続けてみてください。

フィナステリドの副作用:肝機能障害を引き起こす

肝機能に障害が起こるのはフィナステリドによる副作用の1つです。

フィナステリド錠である「TCK」には下記の注意書きがあります。

肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

フィナステリドを服用すると肝臓で代謝されるので、その分負担がかかります。

肝機能障害の起こる可能性は1%未満ととても低いですが、内臓の弱い方は注意が必要です。

例えば健康診断などで肝臓の数値に異常がみられた場合は、フィナステリドの使用前に医師に相談してみてください。

フィナステリドは肝臓に異常をきたす可能性があることを覚えておきましょう。

フィナステリドの副作用:性欲(リビドー)減退の症状がみられる

性欲がいつもよりなくなる状態もフィナステリドの副作用として確認されています。

男性の更年期症状として知られる性欲減退(リビドー)ですが、フィナステリドの使用中に同じような症状が発生するケースがあります。

「普段と少し違う感じがするかな?やばいかな?」思ったときは一時的にフィナステリドの使用をやめ、医師に相談してみてください。

それでも回復が見込めない場合は違った原因が考えられるので、専門の医療機関を受診してみてください。

リビドーの症状は人により感じ方が違いますが、フィナステリドの使用中は副作用の可能性もあるので注意しましょう。

フィナステリドの副作用:勃起不全(ED)を発症する

男性器に関連するフィナステリドの副作用として勃起不全(ED)があげられます。

5α還元酵素阻害剤服用患者で勃起障害(ED)の副作用が見られたことを報告されている。

引用元:科学研究費助成事業データベース

フィナステリドは5α還元酵素阻害剤にあたり服用によりEDが発症する可能性があります。

EDの発生確率は高くありませんが、フィナステリドの使用中は注意が必要です。

フィナステリドの服用中に少しでも違和感がある場合は、治療を中断して医師に相談してみてください。

フィナステリドの副作用:初期脱毛が起こる

AGA治療中に数多くみられる初期脱毛はフィナステリドによる副作用の一種です。

初期脱毛とは乱れたヘアサイクルを元に戻す段階でみられる現象で、普段よりも抜け毛が多くなります。

AGA治療を行うと初期脱毛は起こりやすいですが、これは順調に薄毛抑制が進んでいる証でもあるので心配いりません。

「フィナステリドを使ったらいつもより抜け毛が増えてきてやばい」と感じる方もいるかもしれませんが、治療をやめずに続けましょう。

初期脱毛はフィナステリドの副作用の中でも身体に害のあるものではないので、覚えておきましょう。

フィナステリドを服用する際の注意点

AGA治療に効果的なフィナステリドですが、いくつかの注意点を守る必要があります。

  • 女性はフィナステリドを服用してはいけない
  • 未成年はフィナステリドを服用してはいけない
  • フィナステリドは分割・粉砕せずに服用する
  • フィナステリドの服用中は献血できない

フィナステリドの注意点を正しく理解して、適切な服用を続けましょう。

女性はフィナステリドを服用してはいけない

フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)に効果のある医薬品なので、女性が服用してはいけません。

厚生労働省ではフィナステリドを含有している医薬品のプロペシアについて、下記の注意を促しています。

プロペシアは男性だけの男性型脱毛の治療用です。女性が服用してはいけません。

引用元:厚生労働省

また妊娠中や授乳中の方に対してフィナステリドは禁忌薬です。

妊婦に投与すると DHT の低下により男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼす恐れがあり,妊婦または妊娠している可能性のある女性,授乳中の女性への投与は禁忌である.

引用元:日本皮膚科学会・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

フィナステリドの効果は男性のみ確認されているので、女性は使用しないようにしましょう。

未成年はフィナステリドを服用してはいけない

フィナステリドは成人男性のみ効果が確認されているので、未成年の方は使用してはいけません。

フィナステリドは、日本では成人男性にのみ適用が認められており、女性や未成年は適用外である。

引用元:徳島大学機関リポジトリ

またフィナステリド錠である「NIG」には下記の注意書きがあります。

20歳未満での安全性及び有効性は確立されていない。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

未成年で薄毛の症状に悩んでいる方は多いですが、フィナステリドは効果が確認されていないので使用は控えるのが無難です。

他のAGA治療薬も同様に未成年者の使用を想定してないものが多いので注意しましょう。

未成年者の薄毛治療の方法は医療機関と相談して決定してください。

フィナステリドは分割・粉砕せずに服用する

経皮吸収といってフィナステリドは触っただけでも成分を吸収してしまうので、取り扱いには注意が必要です。

フィナステリドを含有する医薬品のプロペシアについて、厚生労働省では下記の注意を促しています。

砕けたり割れたりしたプロペシアの錠剤をさわってはいけません。

男の子を妊娠している女性の体内にプロペシアの有効成分が入ると、それが口から入った場合であっても、皮膚に付着して吸収された場合であっても、男の子の生殖器に異常を起こすおそれがあります。妊娠中の女性がプロペシアの有効成分に触れてしまった時には、医師に相談して下さい。

プロペシアの錠剤はコーティングされていますので、砕けたり割れたりしない限り、通常の取扱いで有効成分に触れることはありません。

引用元:厚生労働省

経皮吸収は妊娠中や授乳中の方は特に危険なので、割れたフィナステリドを絶対に触らないようにしてください。

フィナステリドの服用中は献血できない

献血を検討している場合は、フィナステリドの使用期間を避けて行うようにしてください。

日本赤十字では下記の注意を呼びかけています。

治療終了後、一定期間献血をお願いできないもの

AGA治療薬(フィナステリド、プロぺシア、プロスカー等)【服薬中止後1カ月献血不可】

引用元:日本赤十字社・福岡県赤十字血液センター

フィナステリドは女性に悪影響がある成分のため輸血する血液に混じっていると大変危険で、

特に妊婦の場合は胎児の健康面も心配です。

献血を行う際はフィナステリドの服用をやめてから最低でも1ヶ月以上あけるようにしてください。

フィナステリドが効かない人には5つの特徴がある

AGA治療に効果を発揮するフィナステリドですが、なかには効き目を感じられない方もいます。

フィナステリドを使用しても薄毛の改善が実感できない方の特徴は下記です。

  • 薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)ではない
  • すでに毛根が死滅している
  • 副作用の初期脱毛を薄毛の悪化と誤解している
  • フィナステリドの服用期間が短い
  • 治療に必要なフィナステリドの用量が足りていない

全ての方がフィナステリドの使用でAGAの改善が見込めるわけではありませんが、効いていないと勘違いしているケースも多々あります。

フィナステリドの効果が感じられない場合は、これらに当てはまっていないか確認してみてください。

薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)ではない

フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)に効果はありますが、その他の原因で薄毛になった場合は使用しても効き目がありません。

フィナステリド錠である「NIG」には下記の注意書きがあります。

男性における男性型脱毛症のみの適応である。他の脱毛症に対する適応はない。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

そもそも薄毛はAGAだけではなく、円形脱毛症や脂漏性脱毛症などさまざまな原因があるのが特徴です。

薄毛が気になってきたからといって医療機関の診察を受けずにフィナステリドを服用していた場合は、原因がAGAではないケースがあります。

薄毛治療を検討している方は、まず専門のクリニックを受診して原因を見極めましょう。

すでに毛根が死滅している

フィナステリドを使用しても薄毛の進行が止まらない場合は、毛根が機能していないケースが考えられます。

ヘアサイクルを正常化させる効果がフィナステリドにはありますが、これは毛根が生きている場合のみ有効で死滅している場合は効果を発揮できません。

例として頭に大きなケガを負ってしまった場合や手術などをしたときは、毛根が死滅するケースがあります。

また年齢によってはすでに毛根が死滅していて治療の効果が得られない場合も多々あります。

毛根は簡単に死滅するものではありませんが、フィナステリドの効果が感じられないときは医師の診察を受けてみてください。

副作用の初期脱毛を薄毛の悪化と誤解している

AGA治療を開始すると高い確率で初期脱毛が起こりますが、これを効果がないと勘違いしているケースが多々あります。

普段よりも抜け毛が多くなる現象が初期脱毛ですが、ヘアサイクルを正常化させるうえで必要な副作用で一定期間経過すると脱毛は抑えられます。

「フィナステリドを使っているのにどんどん抜け毛が増えていく」と感じるのは誤りで、むしろ正常に治療が進んでいる結果でもあります。

初期脱毛に不安を感じて治療をやめてしまう方もいますが、心配する必要はありません。

治療初期は脱毛が増えることを覚えておき、フィナステリドを継続して使用していきましょう。

フィナステリドの服用期間が短い

AGAの治療は長い期間が必要で、フィナステリドも長期間に渡り服用を続けると効果を発揮します。

フィナステリド錠である「NIG」には下記の注意書きがあります。

3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である。また、効果を持続させるためには継続的に服用すること。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

フィナステリドの効果を実感するには最低でも3ヶ月、一般的には半年程度の服用期間が必要です。

なかには1年程度服用してようやく効果を感じる方もいるなど、人により薄毛改善に必要な期間はさまざまです。

なかなか薄毛改善のきざしが見えないからといって服用をやめずに、フィナステリドによる治療を長期間続けてみてください。

治療に必要なフィナステリドの用量が足りていない

長期間フィナステリドによる治療を続けても効果が出ない場合は、用量が少ないケースがあります。

フィナステリド錠である「TCK」には下記の記載があります。

男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

フィナステリドの効果を最大限に発揮させるためには、1日1回の服用が必要です。

また服用間隔は24時間が理想的で、毎日同じ時間に飲むと体内に常にフィナステリドが残るようになり効果的な治療が望めます。

例えばフィナステリドを午前中に飲んだ次の日は深夜に服用だと、24時間以上の間隔があき体内に成分が残らない時間ができてしまいます。

効率よくAGA治療を行うためにはフィナステリドを服用しない日を作らずに、用法、用量を守った治療を行いましょう。

フィナステリドを通販や個人輸入で購入してはいけない

最近はamazonなどの通販や個人輸入でフィナステリドを購入する方も多いですが、下記の理由によりおすすめできません。

  • 偽物の場合もあり、適切な効果を得られない可能性がある
  • 個人輸入で購入した場合は医薬品副作用被害救済制度が利用できない

また政府広報オンラインでは個人輸入のリスクを下記のように伝えています。

・日本の医薬品医療機器等法に基づく品質・有効性・安全性の確認がされていない

・虚偽または誇大な効能・効果をうたっている場合も

・不衛生な場所や方法で製造されたおそれ

・正規のメーカー品を装ったニセモノである可能性も

・副作用や不具合などが起きたときに対処方法が不明

引用元:政府広報オンライン

医療機関で処方されるフィナステリド以外を使用する場合は、デメリットが多いので注意してください。

偽物の場合もあり、適切な効果を得られない可能性がある

amazonや個人輸入などで手に入れるフィナステリドは、偽物の可能性が大いにあります。

そもそも海外製の医薬品は日本で承認されていないものも多く、製造国によっては成分がよくわからないものも多いのが現状です。

偽物のフィナステリドは含有量が少ないものも多く、使用を続けても薄毛の改善がみられないケースが多々あります。

海外製のフィナステリドは価格が安いものが多く、つい購入したくなってしまいますが効果を得られなければ意味がありません。

フィナステリドの使用を検討している場合は、日本の医療機関で処方されたものが安心、安全なので専門のクリニックを受診してみてください。

個人輸入で購入した場合は医薬品副作用被害救済制度が利用できない

海外から個人輸入したフィナステリドで副作用が発生した場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象外になります。

医薬品(病院・診療所で処方されたものの他、薬局等で購入したものも含みます)を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が、「医薬品副作用被害救済制度」です。

引用元:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構

医薬品の使用に副作用は付きものなので保証の有無は大切です。

仮に海外製のフィナステリドを使用して体調が悪くなっても、全て自己責任になってしまいます。

いざというときのためにもフィナステリドを購入する際は、日本の医療機関で処方してもらいましょう。

フィナステリドに関するQ&A

薄毛治療に効果を発揮するフィナステリドですが、まだまだわからない部分がある方も多いと思います。

フィナステリドについてよくある疑問点をまとめました。

  • フィナステリドの料金相場は?
  • フィナステリドと併用できない薬はある?
  • フィナステリドとプロペシアの違いは?
  • フィナステリドとデュタステリドの違いは?
  • フィナステリドの服用をやめたらどうなる?
  • フィナステリドの服用中に飲酒をしても平気?

フィナステリドは医薬品なのでさまざまな注意点があり、正しい理解が大切です。

AGA治療にフィナステリドを使用する際の参考にしてみてください。

フィナステリドの料金相場は?

28錠入りで3,800円〜6,000円程度がフィナステリド錠の料金相場です。

多くの医療機関で処方されているフィナステリド錠はジェネリック医薬品のため、先発医薬品であるプロペシアよりも安価で販売されているケースが多々あります。

プロペシアの使用を考えていたけれども価格がちょっと…という方にはフィナステリド錠がよいでしょう。

クリニックによりフィナステリド錠の価格は変わるので比較検討してみてください。

フィナステリドと併用できない薬はある?

医薬品には「併用禁忌」という同時に服用してはいけない薬がありますが、フィナステリドに併用禁忌はありません。

ですがCYP3A4阻害薬との併用には注意が必要です。

CYP3A4阻害薬との併用はフィナステリドの濃度が上がりすぎて、腎臓などの機能が低下する恐れがあります。

フィナステリドの使用前に服用中の薬がある場合は、念の為医師に報告してみてください。

フィナステリドとプロペシアの違いは?

プロペシアは先発医薬品でフィナステリド錠はジェネリック医薬品という違いがあります。

ともにフィナステリドの成分を含んでいる医薬品ですが、プロペシアは日本で初めてAGA治療薬として認められました。

その後先発医薬品の特許が切れてからジェネリック医薬品としてフィナステリド錠が販売されました。

なおジェネリック医薬品の定義は下記です。

「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は、先発医薬品(新薬)の特許が切れた後に製造・販売される、「先発医薬品と同じ有効成分を同量含んでおり、(先発医薬品と)同等の効き目がある」と認められた医薬品です。

引用元:政府広報オンライン

フィナステリド錠とプロペシアはジェネリック医薬品と先発医薬品の違いはありますが、成分に変わりはないため同等の薬として認識されています。

フィナステリドとデュタステリドの違いは?

5αリダクターゼの動きを妨害する点は両者とも同じですが、デュタステリドの方が妨害する範囲が広いのが特徴です。

1型と2型という2種類が5αリダクターゼにはあり、フィナステリドは2型にのみ効果があります。

対してデュタステリドは1型と2型の両方に効果があるため、フィナステリドよりも高いAGAの治療効果が見込めます。

5αリダクターゼ1型は生え際や前頭部に多く分布しているため、フィナステリドでは難しいとされてきた部分の治療も可能です。

自身の薄毛の状態を見極めてフィナステリドとデュタステリドのどちらを使うか検討してください。

ですがデュタステリドは副作用の発生がフィナステリドよりも多いという報告もあるため、使用の際はクリニックで医師の判断を仰ぎましょう。

フィナステリドの服用をやめたらどうなる?

薄毛の進行予防はフィナステリドの服用中に限り効果があるので、使用をやめると再び症状が悪化してしまいます。

フィナステリドは長期間にわたって服用し、体内に成分が残っている状態を続けるとAGAが徐々に改善していきます。

薄毛の進行が抑えられてきたからといって使用をやめてしまうと、フィナステリドの成分が体から減っていき整っていたヘアサイクルが狂ってしまうでしょう。

フィナステリドの服用に関して下記の報告がされています。

少なくとも 6 カ月程度は内服を継続し効果を確認すべきである.なお,内服を中止すると効果は消失する.

引用元:日本皮膚科学会・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

AGA治療は地道に長期間続けるものなので、自己判断でフィナステリドの服用をやめたりせずに医師の指示を守りましょう。

フィナステリドの服用中に飲酒をしても平気?

適度な量の飲酒はフィナステリドの服用中でも問題ありません。

フィナステリドに併用禁忌はありませんがアルコールに関しても同様です。

ですが過度な飲酒は肝臓に悪影響を及ぼすため注意が必要です。

フィナステリドの副作用には肝機能障害があるため、飲酒量が多いと発症する確率が高くなる恐れがあります。

またアルコールの大量摂取は頭皮にも良くないため、せっかく整ったヘアサイクルが乱れる可能性も出てきます。

AGAの治療中は暴飲暴食を控えバランスの取れた生活を心がけましょう。

フィナステリド|まとめ

AGA治療に有効なフィナステリドは、効果や副作用など正しい知識を身につけての服用が大切です。

  • フィナステリドはヘアサイクルを正常に戻す効果がある
  • 長期間の使用でフィナステリドは効果を発揮する
  • フィナステリドはジェネリック医薬品なのでプロペシアよりも安価で購入可能
  • 確率は低いがフィナステリドには副作用発生の恐れがある
  • フィナステリドはAGAにのみ効果がある
  • 通販や個人輸入でフィナステリドを購入する場合は注意が必要

フィナステリドはAGA治療薬として多くのクリニックで使用されている医薬品です。

適切な使用方法で長期間にわたり服用を続けると、大きな薄毛の改善効果が見込めます。

AGA治療は早ければ早いほど効果が出やすいので、少しでも気になる症状がある場合は専門のクリニックを受診してみてください。

  • URLをコピーしました!
目次