ピルを飲まない方がいい人に、授乳中や35歳以上の喫煙者、高校生や中学生が含まれるか気になっている方もいるでしょう。
年齢や体の状態などによっては、ピルの副作用が出る確率が上がったり飲めないことがあります。
特に血栓症などの副作用に関しては、正しい情報を事前に知っておくことが大切です。
今回は、低容量ピルを飲まない方がいい人や副作用、やめてよかったことついて解説していきます。
▼この記事に書いてあること
ピルは何歳まで飲めるのかも解説しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ピルを飲まない方がいい人は?
ピルは、副作用の観点から飲まない方がいい人がいます。
特に、血栓のリスクが高い人や女性ホルモンが関係する病気の人は、ピルの服用を勧められません。
また、胎児や母乳への影響も考える必要がある薬です。(参考1):ルナレディースクリニック-ピルとは?効果は避妊以外にもある!低用量ピルの仕組みや飲み方をわかりやすく解説
ここでは以下の5つのケースに沿って、ピルを飲まない方がよいのかについて解説していきます。
子宮筋腫の人はピルを飲まない方がいい?
子宮筋腫の人はピルの服用自体は認められていますが、服用にあたってリスクも伴うため慎重投与の必要があると言われています。(参考2)
しかし、ピルの服用により女性ホルモンを一定にコントロールすることで、筋腫の成長を止めることや小さくすることが可能なケースもあります。(参考3)
そのため、一概に子宮筋腫の人はピルを飲まない方がいいとも言えないのです。
(参考2):的野ウィメンズクリニック横浜-ピルとは?
(参考3):茶屋町レディースクリニック分院-子宮筋腫

子宮筋腫がありピルを飲もうと検討している場合は、医師の診察を受け相談の上で飲むようにしましょう。
産後や授乳中の人は?母乳への影響とは
ピルの服用について、産後や授乳中の人には制限があります。
授乳中にピルを服用すると、母乳の量や質の低下・母乳にピルの成分が含まれることで赤ちゃんへの影響も考えられるのです。
そのため、授乳中のピル服用は産後6か月が経過し、医師が可能と判断してからの服用となります。
また、産後すぐは血栓症が起きるリスクが高い時期です。
授乳している人に比べると、授乳していない人は血栓症が起きるリスクは低く、目安として産後3~6週間以降に服用を再開できるとも言われています。
ですが、自己判断はせず医師の診察を受け服用の許可を得てから、ピルを服用するようにしましょう。
(参考4):スマルナ-授乳中にピルは服用できますか?
(参考5):産婦人科オンラインジャーナル-出産後、低用量ピルはいつから使えるの?
35歳以上の喫煙者は?
35歳以上の喫煙者は、ピルの服用が禁忌となる場合があります。
これは、喫煙により血栓症が起きるリスクが高くなるためです。
喫煙は特に血栓症のリスクを高めるものと言われており、35歳以上で1日15本以上喫煙する方はピルの服用が禁忌となります。
さらに1日15本以下の喫煙習慣の場合でも血栓症のリスクは高く、原則的にピルの服用はできません。
年齢に問わず喫煙は血栓症のリスクが高くなるため、ピル服用中は禁煙するようにしましょう。(参考6):スマルナ-喫煙者は低用量ピルを飲むことができますか?
血栓症になったことがある人は?
血栓症になったことがある人は、ピルの服用はできません。
一度血栓症になった人はその後も血栓症のリスクが高いためです。
ピルの服用によりさらに血栓症のリスクを増加させ、致命的な血栓症が起こる可能性がありますので、注意しましょう。(参考7):新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック-ピルの副作用で血栓症はおきるの?気をつけることや対策、予防法、などについて詳しく解説します。
高血圧・糖尿病の人は?
高血圧・糖尿病のある人は、ピルを服用できない場合があります。
高血圧は血栓症のリスクが高く、収縮期血圧が160mmHg以上または拡張期血圧が100mmHg以上の場合はピルを服用できません。
しかし、軽度の高血圧や薬により血圧のコントロールができている場合は、医師の判断によりピルの服用が可能になることもあります。
そのため、血圧が高い場合でもピルの服用希望がある場合は、まずは医師に相談してみることをおすすめします。(参考8)
また糖尿病の人に関しては、血管病変を伴う糖尿病であるとピルを服用できません。
血管病変を伴わない糖尿病であっても注意が必要なため、自己判断はせず必ず医師の判断の上で服用しましょう。(参考9)

血糖値や血圧を下げる薬の中には、ピルと一緒に服用すると相互作用により効果が弱まってしまう薬があります。そのため、血糖値や血圧を下げる薬を飲んでいる方は、医師や薬剤師にピルと一緒に服用して問題ないか確認しましょう。
(参考8):HERDAYS-ピルは血圧が高いと服薬できない?
(参考9):あまが台ファミリークリニック-低用量ピルについて
ピルは何歳まで?40代・50歳以上は飲まない方がいい?
ピルは何歳まで服用可能なのか調べたところ、基本的には閉経近くの50歳くらいまでは飲み続けられると言われています。
しかし、40代を超えると低用量ピルの服用有無に関わらず、血栓症のリスクが高くなります。
そのため、40代を超えるとピルは飲まない方がよいと判断されることもあるため、必ず医師に相談してから服用しましょう。(参考10):スマルナ-ピルは何歳から何歳まで服用できますか?
低用量ピルの副作用とは
低用量ピルの主な副作用は、以下の通りです。
低用量ピルの副作用 |
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頭痛、吐き気、乳房の張り、不正出血、気分のムラ 浮腫み、吹き出物、下痢、便秘、嘔吐、血栓症 |
特に重大な副作用として、血栓症があります。
息苦しさ・ふくらはぎの痛み・押しつぶさるような胸の痛みなどがみられた場合は、すぐに服用を止め医師の診察を受けましょう。(参考11,12)
また、ピルに関して以下の3つについても解説していきます。
(参考11):スマルナ-ピルの副作用とは?知って安心!気になる症状とリスク
(参考12):東京のピル処方相談室-低用量ピル(OC)の副作用
ピルを高校生・中学生が飲むデメリットはある?
ピルは、生理がきている高校生・中学生も飲むことができます。
しかし、高校生・中学生がピルを飲むデメリットは、年齢によって骨の成長に影響を及ぼす可能性があることです。
ピルに含まれているエストロゲンは、骨の成長を妨げると言われています。
生理がきていればエストロゲンによる骨の成長を妨げないとの見解もありますが、高校生・中学生といった思春期女性の骨代謝とエストロゲンの関係は不明点が多いのが現状です。
そのため、一般的に骨の成長が終了すると考えられている15歳以降であれば、より安心してピルを服用できると言われています。
(参考13):エマ婦人科クリニック名古屋栄-低用量ピルの効果や副作用・種類・値段(保険適用)について
(参考14):冬城産婦人科医院-思春期女性の月経困難症に対するホルモン療法
ピルのデメリット|ガンになるって本当?
ピルの服用によって必ず癌になるということはありません。
しかし、ピルの長期服用により乳癌と子宮頸癌になるリスクがわずかながら上がるとも言われています。
一方で、卵巣癌や子宮体癌、大腸癌のリスクは減るということが分かっています。

ピルの服用に不安のある方は、医師からしっかりと説明を受けるようにしましょう。
(参考15):スマルナ-低用量ピルを飲むとガンになるというのは本当ですか?
ピルは太る?
ピルは太るという声も聞かれていますが、ピルの服用と体重増加の因果関係はないと分かっています。
では、なぜ「ピルは太る?」といった声があるのでしょうか。
これは、ピルに含まれている女性ホルモンの1つである、黄体ホルモンによる作用が関係しています。
黄体ホルモンには、一時的に浮腫んだり食欲を増加させる作用があり、ピルを飲み始めたばかりは体内のホルモンバランスの変化により、黄体ホルモンの作用を受けやすいのです。
ですが、ピルの服用を継続していくことで体内のホルモンバランスが整い、普段の状態に戻っていくため一時的なことであると覚えておきましょう。
また、ピルに含まれているもう1つの女性ホルモンである卵胞ホルモンは、水分を溜める作用があり浮腫みやすくなります。
しかし、これも一時的なものであり3ヶ月程ピルの服用を継続することで治っていきます。
(参考16):スマルナ-ピルを服用すると太るの?ピルにまつわるよくある疑問と誤解
ピルの服用で乳がん発症のリスクは上がるって本当?
ピルの長期服用により乳癌になるリスクは、わずかながら上がると言われています。
ピルと乳癌のリスクを関連付けるデータは日本にはありませんが、服用する際には医師と充分に相談することが推奨されているのです。
現在保険適用で処方されるピルは乳癌のリスクとなる根拠が存在しないため、心配ないと考えられます。
しかし一方で、欧米では乳癌に対するピル服用のリスクが1.24倍と報告されている論文もあります。
そのため、今後ピル服用による乳癌へのリスクが新たに報告される可能性も考えられるため、服用の際は医師と充分に相談することがおすすめです。
(参考17):スマルナ-低用量ピルを飲むとガンになるというのは本当ですか?
(参考18):かんけクリニック-よくある質問
低用量ピルをやめてよかったことは?
低用量ピルをやめてよかったという声も聞かれており、主に以下の4つのような声がありました。
- 生理が軽くなったように感じる
- 妊娠した
- ニキビが治った
- 痩せた
全ての人が上記4つに当てはまるとは限りません。
低用量ピルの服用をやめることはデメリットになる可能性もあるため、必ず医師と相談の上でやめる判断するようにしましょう。
ピルの服用中に献血をしてもいい?
ピル服用中の献血に関しては、低用量ピルの服用であれば献血は可能です。
しかし、アフターピルのような緊急ピルの場合は献血ができません。(参考19,20)
また、以下の3つの場合についてもみていきましょう。
(参考19):日本赤十字社 大阪府赤十字血液センター-よくあるご質問
(参考20):日本赤十字社-よくあるご質問|献血について
脱毛はどう?
ピル服用中も脱毛はできると言われています。
しかし、ピル服用によりホルモンバランスが変化するため、肌トラブルなどのリスクが上がる可能性があります。
ピル服用中の脱毛のリスクは、以下の3つです。
- 肌に色素沈着が生じやすくなる
- 肌トラブルが起こりやすくなる
- 痛みを感じやすくなる
よって、ピル服用中の脱毛は医師や看護師が常駐している、医療機関にて行うことが推奨されています。
(参考21):ジュノビューティークリニック-ピル服用中も医療脱毛できる?色素沈着しやすいってホント?
ワクチンは?
ピル服用中のワクチン接種は問題ないと言われています。
特に新型コロナウイルスワクチンの接種については、副反応として血栓症が報告されているためピル服用中に接種してよいのか不安な声もみられました。
結論として、ピル服用と新型コロナウイルスワクチンの副反応である血栓症の関連性は、現在のところ報告されていません。

それでも不安な方は、ワクチン接種前に医師に相談することをおすすめします。
(参考22):スマルナ-低用量ピル服用中でも新型コロナウイルスのワクチンを接種して問題ないですか?
ピルは偏頭痛でも飲める?
ピルは偏頭痛(片頭痛)でも飲めるのか調べてみたところ、前兆のある片頭痛を持っているとピルは飲めません。
前兆のある片頭痛とは、「頭痛が起こる前にチカチカと目の前が光って見えるなどの症状が起こる」ことを言います。
このような前兆のある片頭痛を持っているは、前兆のない片頭痛を持っている人と比べると、脳血管障害が起こったり血栓症が起こったりするリスクが高くなり、ピルが飲めないのです。
また、前兆のない片頭痛を持っている人も、ピルの服用により脳血管障害を起こしやすくなると言われています。
そのため、片頭痛を持っている場合は必ず医師の診察・相談の上でピルを服用するようにしましょう。
(参考23):Pills U-片頭痛持ちはピルを服用できないの?ピル服用中の頭痛の原因と対処法〜頭痛薬との飲み合わせに注意〜
▼参考にしたページ一覧
(参考1):ルナレディースクリニック-ピルとは?効果は避妊以外にもある!低用量ピルの仕組みや飲み方をわかりやすく解説
(参考2):的野ウィメンズクリニック横浜-ピルとは?
(参考3):茶屋町レディースクリニック分院-子宮筋腫
(参考4):スマルナ-授乳中にピルは服用できますか?
(参考5):産婦人科オンラインジャーナル-出産後、低用量ピルはいつから使えるの?
(参考6):スマルナ-喫煙者は低用量ピルを飲むことができますか?
(参考7):新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック-ピルの副作用で血栓症はおきるの?気をつけることや対策、予防法、などについて詳しく解説します。
(参考8):HERDAYS-ピルは血圧が高いと服薬できない?
(参考9):あまが台ファミリークリニック-低用量ピルについて
(参考10):スマルナ-ピルは何歳から何歳まで服用できますか?
(参考11):スマルナ-ピルの副作用とは?知って安心!気になる症状とリスク
(参考12):東京のピル処方相談室-低用量ピル(OC)の副作用
(参考13):エマ婦人科クリニック名古屋栄-低用量ピルの効果や副作用・種類・値段(保険適用)について
(参考14):冬城産婦人科医院-思春期女性の月経困難症に対するホルモン療法
(参考15,17):スマルナ-低用量ピルを飲むとガンになるというのは本当ですか?
(参考16):スマルナ-ピルを服用すると太るの?ピルにまつわるよくある疑問と誤解
(参考18):かんけクリニック-よくある質問
(参考19):日本赤十字社 大阪府赤十字血液センター-よくあるご質問
(参考20):日本赤十字社-よくあるご質問|献血について
(参考21):ジュノビューティークリニック-ピル服用中も医療脱毛できる?色素沈着しやすいってホント?
(参考22):スマルナ-低用量ピル服用中でも新型コロナウイルスのワクチンを接種して問題ないですか?
(参考23):Pills U-片頭痛持ちはピルを服用できないの?ピル服用中の頭痛の原因と対処法〜頭痛薬との飲み合わせに注意〜
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